1990 Fiscal Year Annual Research Report
加動環境下の上皮小体の実験的電顕的研究ー加齢および妊娠・産褥の影響ー
Project/Area Number |
01570007
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
磯野 日出夫 岐阜大学, 医学部, 教授 (50021358)
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Keywords | 加重力 / ハムスタ- / 上皮小体 / 妊娠 / 胎仔 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
加重力環境下の実験動物として妊娠後期(妊娠13〜15日)のゴ-ルデン・ハムスタ-およびその胎仔を使用した。それぞれの実験群には無処置の対照群を設けた。対照群と実験群の妊娠および胎仔ハムスタ-の上皮小体を摘出し、グルタ-ルアルデヒドとオスミウム酸の混合液にて固定し電顕標本を作成した。電顕写真による形態計測をおこない、細胞小器官の変化を定量的に分析した。 結果と考察:妊娠ハムスタ-の血清カルシウム値に変化は見られない。 妊娠および胎仔ハムスタ-ともゴルジ装置は対照群に比して有意に増加するが、粗面小胞体、脂質滴、空胞様小体、水解小体および分泌果粒には有意差は見られない。この結果は、先に報告した加重力環境下における加齢実験のうち、老齢を除く幼若および成熟ハムスタ-上皮小体の変化と一致する。したがって、今回の実験により妊娠および胎仔ハムスタ-上皮小体主細胞において分泌果粒完成の場とされているゴルジ装置が発達することが明らかになった。加重力が母ハムスタ-のみならず胎仔の上皮小体に対しても影響することは、極めて興味あることである。先に報告した結果を合わせると、胎仔期から老齢期にいたる期間のうち老齢期の上皮小体においてのみ加重力の影響が見られない。今後、こうした現象を解明してゆきたい。
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