1990 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドホルモン合成および分泌機序の細胞化学的研究
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01570011
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石村 和敬 徳島大学, 医学部, 教授 (90112185)
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Keywords | 免疫組織化学 / 卵巣 / 精巣 / アロマタ-ゼ / 17d水酸化 / C17ーC20切断酵素 / エストロゲン / アンドロステンジオン / 排卵 |
Research Abstract |
1.卵巣における卵胞の発育と、アロマタ-ゼの消長との関係をみるために、生後3週齢の未熟なラットにPMSG(妊馬血清性ゴナドトロピン)を皮下注射して卵胞を発育させ、次いで、hCG(ヒト絨毛ゴナドトロピン)を腹腔内投与して排卵を誘導し、アロマタ-ゼの局在を検索した。その結果、PMSG投与12時間後に卵胞腔をもった大きい卵胞が出現し、アロマタ-ゼはその卵胞の果粒層細胞に弱陽性であること、hCGを投与してOー9時間では、卵胞腔をもった卵胞に加えてさらに大きな成熟卵胞が出現し、その果粒層細胞が強い陽性を呈すること、hCGを投与して12時間たつと排卵が起こり、排卵後の果粒層細胞は急速に弱陽性ー陰性になることがわかった。 2.ラットの通常の性周期の黄体はアロマタ-ゼの免疫染色に対して弱陽性ー陰性を示すが、妊娠黄体は妊娠7日から分娩まで陽性ー強陽性を呈し、ラットの妊娠黄体にエストラジオ-ル産生能があることが推測された. 3.性周期に伴う17dー水酸化/C17ーC20切断酵素の消長を成熟ラットについてみたところ、発情間期第2日頃から内卵胞膜細胞に陽性の反応が現れ、発情前期の午後までその陽性度が強くなるが、午後6時頃から陽性の細胞が減少し始め、午後9時にはほとんどの内卵胞膜細胞が陰性となった.発情期および発情間期第1日には陽性を示す細胞は認められない。また間質腺細胞はこのサイクルの間弱陽性一陰性を呈した。 4.ウマの精巣について、アロマタ-ゼの免疫組織化学をおこなったところ、ライディッヒ細胞が陽性を示した。精巣では、ライディッヒ細胞がテストステロンのみならずエストロゲンも作っていることになる。
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[Publications] T.Senda: "Ultrastructural and immunocytochemical studies on the cytoskeleton in the anterior pituitary of rats,with special regard to the relationship between actin filaments and secretory granules." Cell Tissue Res. 258. 25-30 (1989)
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[Publications] H.Fujita: "Secretory mechanisms of endocrine cells." Gunma Symposia on Endocrinology. 26. 9-24 (1989)
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[Publications] 藤田 尚男: "形態学からみたホルモンの合成から放出まで" ホルモンと臨床. 37. 801-809 (1989)
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[Publications] T.YoshinagaーHirabayashi: "Immunocytochemical localization of aromatase in immature rat ovaries treated with PMSG and hCG,and in pregnant rat ovaries." Histochemistry. 93. 223-228 (1990)
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[Publications] K.Ishimura: "Immunocytochemical and biochemical studies on the localization and changes of 17 ー hydroxylase/C17ーC20 lyase activity in immature rat ovary treated with PMSG and hCG." Histochemistry. 94. 225-229 (1990)
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[Publications] 石村 和敬: "ステロイド産生機構の組織学" 内分泌学の進歩. 8.
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[Publications] K.Ishimura and H.Fujita: "Ultrastructure and immunocytochemical aspects of steroidーsynthesizing and secretory cells with special reference to the mechanism of estrogen biosynthesis.In;Ultrastructure of the ovary .Edited by Familiari,S." Kluwer Academic Publishers, P.225-238