1989 Fiscal Year Annual Research Report
吸収上細胞における頂部細管系の構造分化に関する電顕的細胞化学・免疫細胞化学的研究
Project/Area Number |
01570012
|
Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
波多江 種宣 香川医科大学, 医学部, 教授 (40037388)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 良訓 香川医科大学, 医学部, 助手 (80211861)
藤田 守 香川医科大学, 医学部, 助教授 (60037471)
|
Keywords | 吸収上皮 / 頂部細管 / 細胞化学 / 免疫細胞化学 / 電子顕微鏡 / エンドサイト-シス |
Research Abstract |
1.さかんにエンドサイト-シスをおこなういくつかの吸収上皮(腎臓近位尿細管上皮、精巣輸出管上皮、卵黄嚢上皮)の細胞頂部に存在する頂部細管内に、特殊なラセン構造を発見した。このラセン構造は従来のグルタ-ルアルデヒド・オスミウム酸二重固定法ではみえなかったが、我々が新しく考察したグルタ-ルアルデヒド、ホルムアルデヒド、オスミウム酸混合固定法ではじめて見出すことができた。また、急速凍結固定・凍結置換法および化学固定・凍結置換法においても、同様の構造を見ることがきた。 2.このラセン構造を超薄切片法で測定した結果、1周期約60nmの左まきの四重ラセンからなり、それぞれの1周期に、11個の電子密度のたかい直径約11nmの球形構造物が、直径約80nmの細管内腔面に沿って配列していることをたしかめた。また、細管の中央部は電子密度がひくく、その中心長軸に沿って、電子密度のたかいより小さな球形構造物(直径約9nm)が配列していた。 3.これらの電顕写真から得られた二次元情報をもとに、コンピュ-タグラフィクスによりその三次元モデルを試作し、ラセン構造を数式化した。これらの結果より、頂部細管内のラセン構造より全体的な三次元の形状把握を可能にすることができた。 4.頂部細管内のラセン構造を化学固定後低温樹脂包埋した試料に、各種電顕的細胞化学をおこなった。ラセン構造は、多糖類を検出する方法であるPAーTCHーSP反応およびタンパク質を検出する方法である強酸性PTA反応に陽性であったが、プロテア-ゼ処理によりPTA反応は陰性になった。これらの結果から頂部細管内のラセン構造は、多糖類とタンパク質から構成されていることを明らかにした。
|
Research Products
(1 results)