1989 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌細胞によって形成されるコロイドを含む小濾胞の研究
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01570023
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
亀田 芙子 福岡大学, 医学部, 助教授 (10032898)
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Keywords | コロイドを含む小濾胞 / 下垂体隆起部 / 性腺ホルモン分泌細胞 / 甲状腺C細胞 / C細胞濾胞 / モノクロ-ナル抗体 |
Research Abstract |
1.モルモット下垂体隆起部に存在するコロイドを含む小濾胞について、PAS染色、各種下垂体ホルモンに対する抗体を用いての免疫組織化学及び電顕で調べた。濾胞細胞によって形成される典型的な濾胞の他に、今回新たに空胞状物質が充満した細胞によって形成される濾胞を見い出した。この細胞内空胞状物質は外膜に一部リボゾ-ムが付着していることから粗面小胞体の拡大した槽であると考えられた。この細胞については今までに全く報告がなく、隆起部の機能を知るために重要な細胞と考え目下検討中である。また性腺刺激ホルモン(LHとFSH)分泌細胞によって形成される濾胞が存在した。これら3種類の濾胞はいずれも年令と共に増加し、特に24ケ月令以上の老令動物では5日令の幼若動物に比べ10倍以上増加していた。2.イヌ甲状腺コラゲナ-ゼで処理し細胞を単離後マウスに免疫し、C細胞の分泌顆粒に特異的に反応するモノクロ-ナル抗体を作成した。Immunoblottingを行うとこの抗体は分子量約16,000のbandに特異的に反応し、このbandはCoーAで染色されまた過ヨウ素酸で処理すると消失することから糖蛋白であると考えられた。高Ca^<++>血誘発及び甲状腺抑制剤慢性投与後のC細胞が脱顆粒を示す実験条件下ではこの抗体の反応も著しく減少した。この抗体はC細胞のみに反応し、上皮小体、下垂体、膵島、副腎などの内分泌細胞には全く反応しなかった。このように甲状腺C細胞が分泌する糖蛋白はC細胞のみに特異的なものであり、内分泌細胞に共通する糖蛋白ではないことが分かった。次いで種属間の交差反応性調べると、モルモット及びブタのC細胞は全く反応を示さなかったが、他の多くの動物でC細胞はこの抗体で強陽性に染まった。ヒト甲状腺髄様癌も染色された。モルモットのC細胞濾胞は老令動物で著しく増加するため、糖蛋白と濾胞形成との関係を明確にするため、モルモット甲状腺からモノクロ-ナル抗体を作成中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yoko Kameda: "Occurrence of colloidーcontaining follicles and ciliated cysts in the hypophysial pars tuberalis from guinea pigs of various" Am.J.Anat.188. (1990)
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[Publications] Yoko Kameda: "Innervation of the serotoninーimmunoreactive cells distributed in the wall of the common carotid artery and its branches in the chicken" J.Comp.Neurol. 291. (1990)
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[Publications] Yoko Kameda: "Distribution of serotoninーimmunoreactive cells around arteries arising from the common carotid artery in the chicken" Anat.Rec. (1990)
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[Publications] Yoko Kameda: "Occurrence of calcitoninーpositive C cells within the distal vagal ganglion and the recurrent laryngeal nerve of the chicken" Anat.Rec.224. 43-54 (1989)
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[Publications] Yoko Kameda: "Distribution of CGRPー,somatostatinー,galaninー,VIPー,and substance Pーimmunoreactive nerve fibers in the chickin carotid body" Cell Tissue Res.257. 623-629 (1989)