1989 Fiscal Year Annual Research Report
新しい標識法による脊髄運動ニュ-ロンプ-ルの樹状突起構築と樹状突起形成機構の解明
Project/Area Number |
01570025
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡戸 信男 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (50060140)
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Keywords | SPINALCORD / DENDRITE / MOTOR NEURON / CHOLERATOXIN / HORSERADISH PEROXIDASE / MUSCLE / AFFERENT / MUSCLE |
Research Abstract |
鶏、ネコ、サルの下肢帯筋に50〜100μlの0.1%コレラトキシンサブユニットB抱合ワサビペルオキセダ-ゼ(CHRP)を注入、2〜3日の生存期間後、ザンボニ液で灌流固定を行った。テトラメテ-ルベンテジンを用いたHRP反応により、50μ厚の横断切片上に各筋を支配する運動ニュ-ロンプ-ルの樹状突起、胞体を明確に逆行性に標識できた。特に樹状突起についてはその末梢端まで観察できた。鶏の下肢帯筋を支配する運動ニュ-ロンプ-ルのうち最も強大な筋である腸脛骨筋の樹状突起は胞体から全方向に伸びていた。そのうち側索に向う突起は側索の表面に達しており、後角方向への突起は後角基部でも観察された。大腿脛骨筋の運動ニュ-ロンプ-ルの樹状突起分布は基本的に腸脛骨筋のそれと相合であった。腸腓骨筋と尾側腸脛骨筋の運動ニュ-ロンプ-ルはほぼ合位置の外側核の背外側部にあるが、外側運動核の外側および腹側辺縁部の二方向に樹状突起が分布しており、その大部分は白質に観察された。この様にニワトリ下肢帯の各筋の運動ニュ-ロンプ-ルの樹状突起はそれぞれの運動ニュ-ロンプ-ルに特徴的な樹状突起分布パタ-ンを持っていることが明らかになった。そしてそれぞれの樹状突起群はそれぞれ特異的な入力をうけていることが最近の研究で明らかにされつつある。 今回の研究で明らかにされた各筋に特徴的な樹状突起分布とそれに対応した入力はニワトリが運動を行うに必要な各筋の機能的特徴を裏付けるものであることが推測された。
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