1990 Fiscal Year Annual Research Report
運動ニュ-ロンにおける各種ペプタイドおよびmRNAの同定とその調節機構
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01570027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仙波 恵美子 大阪大学, 医学部, 助教授 (00135691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 真利子 大阪大学, 医学部, 助手 (80192409)
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Keywords | 運動ニュ-ロン / 軸索損傷(axotomy) / αーCGRP / βーCGRP / Galanin / CCK / in situ ハイブリダイゼ-ション / NGF リセプタ- |
Research Abstract |
運動ニュ-ロンに含まれるペプタイドのうち、昨年度はαーCGRPとβーCGRPをとり上げ、互いに構造の似たこれらのペプタイドの産生が別々に制御されていること、またニコチニック・アセチルコリン(Ach)リセプタ-のαサブユニットとβサブユニットの産生も別々に制御されていることを明らかにした。今年度は、αーおよびβーCGRPの他、ガラニン(Gal)とCCKをとり上げ、顔面神経核の運動ニュ-ロンをモデルとして、顔面神経を切断した場合と、ピンセットで圧迫してcrushした場合で、それぞれのmRNAがどの様に変化するかということをin situハイブリダイゼ-ション法により、時間経過を追って検討した。すなわち、αーおよびβーCGRPとも早期より増加したが、その後αーCGRP mRNAは高値をとり続けるのに対し、βーCGRPmRNAは消失した。Gal,CCKの場合、CGRPよりやや遅れて増加し、神経切断例の方が、crush例よりも著明な増加を示した。 一方、成熟運動ニュ-ロンは、神経成長因子(NGR)の影響は受けないが、軸索損傷を受けた運動ニュ-ロンでは、NGFリセプタ-が産生されてNGFに感受性となる。NGFはまた、種々の細胞でペプタイドの発現を調節する作用が報告されているので、上記のペプタイドの発現を調節する作用が報告されているので、上記のペプタイドmRNAの動きと比較するため、神経切断とcrushによるNGFリセプタ-mRNAの発現の時間経過について検討したところ、神経切断例では長期にわたり増加を示したが、crush例の方は早期において特に著明な増加を示し、2ー3週間でもとに戻った。このようなNGFリセプタ-mRNAの動きと同期する可能性のあるペプタイドはαーCGRPだけで、βーCGRP,Gal,CCKについては、NGFはその産生の調節に関与していないと思われる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Noguchi,E.Senba Y.Morita,M.Sato and M.Tohyama: "αーCGRP and βーCGRP mRNAs are differentially regulated in the rat spinal cord and dorsal root ganglion." Molecular Brain Research. 7. 299-304 (1990)
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[Publications] E.Senba,D.M.Simmons,E.Wada,K.Wada and L.W.Swanson: "RNA levels of neuronal nicotinic acetylcholine receptor subunits are differentially regulated in axotomized facial motoneurons: An in situ hybridization study." Molecular Brain research. 8. 349-353 (1990)
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[Publications] T.Saika,E.Senba,K.Noguchi,M.Sato,et al.: "Effects of nerve cruch and transection on mRNA levels for nerve growth factor receptor in the rat facial motoneurons." Molecular Brain Research. 9. 157-160 (1990)
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[Publications] 仙波 恵美子: "ニュ-ロンの再生過程における分子生物学ー顔面神経核運動ニュ-ロンをモデルとしてー" 医学のあゆみ. 155. 5 (1990)
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[Publications] T.Saika,E.Senba,K.Noguchi,M.Sato,et al.: "Changes in expression of peptides in rat facial motoneurons after facial nerve crushing and transection" Molecular Brain Research.