1990 Fiscal Year Annual Research Report
コリン作動性ニュ-ロンの発生と分化に関する組織化学的および分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
01570036
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciences |
Principal Investigator |
市川 友行 (財)東京都神経科学総合研究所, 解剖発生学研究部門, 主事研究員 (90150193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 武夫 (財)東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究部門, 参事研究員 (20073059)
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Keywords | コリン作動性ニュ-ロン / コリン・アセチル基転移酵素 / 発生と分化 / 免疫組織化学 / in situ hybridization / 分子遺伝学 |
Research Abstract |
1.前年度作成した、コリン作動性ニュ-ロンの特異的なマ-カ-であるコリン・アセチル基転移酵素(ChAT)に対する抗血清を用い、ラットの中枢神経系におけるコリン作動性ニュ-ロンの生後発生を解析した。前脳基底部では、生後1日目からChAT免疫強陽性細胞が存在するが、約14日目まで移動が観察される。新線条体では、免疫強陽性ニュ-ロンが外側部にのみ存在し、14日目までは内側への移動がみられた。内側手綱核では、生後1日目で核が形成されている。脳神経運動核および脊髄前角では、出生直後に運動ニュ-ロンがみられ、14ー21日目まで免疫陽性が増え続け、成体と同一レベルに達する。胎生期におけるコリン作動性ニュ-ロンに関しては種々の技術的困難さがあり、まだ完了していない。しかし、8ー10時間浸漬固定すればよいこと等の結果を得ており、今後早急に解析を進める予定である。 2.ヒトのChATのcDNAをクロ-ニングし、このcDNAからRNAプロ-ブを作製し、ヒト胎児12ー20週の脊髄において運動ニュ-ロンを検出することに成功した。今後ヒト胎児のおける運動ニュ-ロンの発生と分化に関する研究を続行したいと考えている。 3.マウスのChATのcDNAを用い、マウスのChAT遺伝子をクロ-ニングした。この遺伝子の下流にreported遺伝子を結合し、培養細胞に導入しその発現を調べた。この遺伝子は、神経細胞由来の培養細胞で発現されるが、非神経細胞由来のものでは発現されないことがわかった。さらに、この遺伝子を部分欠損させ発現実験を行い、プロモ-タ-およびエンハンサ-領域を明らかにした。 4.ヒトのChATのcDNAの構造を明らかにした。ラット、マウスやブタとは異なり、108アミノ酸残基長いChAT蛋白が合成されることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ishii,K.,Oda,Y.,Ichikawa,T.,and Deguchi,T.: "Complementary DNAs for choline acetyltrasferase from spinal cords of rat and mouse:Nucleotide sequences,expression in mammalian cells,and in situ hybridization." Molecular Brain Research. 7. 151-159 (1990)
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[Publications] Ichikawa,T.,and Hirata,Y.: "Organization of choline acetyltransferaseーcontaining structures in the cranial nerve motor nuclei and lamina IX of the cervical spinal cord of the rat." Journal fu^^¨r Hirnforschung. 31. 251-257 (1990)
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[Publications] Ohtomi,M.,Ichikawa,T.,and Deguchi,T.: "Arylamine Nーacetyltransferase from the chicken kidney:Characterization of the enzyme and localization of the mRNA by in situ hybridization." Biomedical Research. 11. 263-267 (1990)
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[Publications] Sato,T.,Deguchi,T.,Ichikawa,T.,Fujieda,H.,and Wake,K.: "Localization of hydroxyindole Oーmetyltransferaseーsynthesizing cells in bovine eqithalamus:Immunocytochemistry and in situ hybridization." Cell and Tissue Research. (1991)