1989 Fiscal Year Annual Research Report
卵細胞に於けるイノシト-ル三りん酸によって活性化されるカルシウムチャネルの同定
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01570043
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
黒田 英世 名古屋大学, 理学部, 助教授 (50064845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我部 正博 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10093428)
佐藤 英美 名古屋大学, 理学部, 教授 (40109260)
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Keywords | イノシト-ル三りん酸 / カルシウムチャネル / カルシウム遊離 / ウニ卵 / 受精 |
Research Abstract |
本年度は交付申請書で計画した三つの課題の内、主として二つの点について研究しいくつかの成果を得た。(1)IP_3添加によりCa^<2+>を遊離する膜小胞の精製及びCa^<2+>遊離に対する各種薬物の影響、膜小法の精製は基本的にはホモゲナイズ-低速遠心-超遠心-ショ糖密度勾配遠心という過程によりかなり活性の高い標品を得られる様になった。但しウニの種による差がいちじるしく、バフンウニではよい標品が得られるが他種のウニ卵からは良い標品が得られず、この問題は今後の課題である。薬理学的研究に関しては、IP_3は当然Ca^<2+>遊離を起こすが、二度、三度と続いて与えても反応しない。但し1時間以上おくと回復する。この様な反応は小脳等から得た標品の光動とは著しく異なる。IP_3の代謝物であるIP_2、IP_4はIP_3にtlし小さな反応しか示さず、又上記の様な脱感受性は見られない。高濃度のヘパリンはIP_3によるCa^<2+>遊離を阻害する。筋小胞体からのCa^<2+>遊離に影響する事で知られているリアノジン、カフェイン等はこの系に影響を与えない。(2)膜小胞体に存在するイオンチャネルの検討、膜小胞を脂質平面膜に融合させる電気生理学的に追求した。その結果、電位依存性のあるK^+チャネルを含む数種のK^+チャネル、Cl^-チャネル及びCa^<2+>チャネルの存在を確認しコンダクタンス、キネティクス等を解析した。但しIP_3により活性化されるチャネルは未だ発見されていない。この様なチャネルが発見されない原因として、(i)膜小胞の精製方法に問題がある。(ii)この様なチャネルが非常に少ない事が考えられる。現在精製方法につき再検討すると共に、この様なチャネルを精製し再構成した後電気生理学的研究を行うことを試みている。
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[Publications] Obata,S.and Kuroda,H.: "Membrane potential change in a sea urchin egg induced by calcium ionophore(A23187)has the same component that is involved in the fertilization potential." Cell Struct.Funct.14. 697-706 (1989)
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[Publications] Obata,S.and Kuroda,H.: "Voltage-independent component of the fertilization current in sea urchin eggs." Submitted to Dev.Biol.