1989 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアの脂肪酸β酸化系における反応機構の分子論的研究
Project/Area Number |
01570046
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
二科 安三 熊本大学, 医学部, 助教授 (50112553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恭介 熊本大学, 医学部, 助手 (80205905)
志賀 潔 熊本大学, 医学部, 教授 (40028527)
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Keywords | フラビン蛋白 / FAD |
Research Abstract |
Electron-transferring Flavoprotein(ETF)はミトコンドリアにおいて、数種のフラビン蛋白(dehydrogenase)からETF-CoQ oxidoreductaseへの電子移動を媒介するフラビン蛋白であり、一電子移動を行う。このETFは1分子のFADと2コのサブユニット(α、β)から成っている。ETFからoxidoreductaseへの電子移動の機構を明らかにすることをめざしてサブユニット間及びFADと蛋白間の相互作用を調べた。 1.アポ蛋白とFADを種々の濃度条件で反応させ、その結合の過程を速度論的・平衡論的に解析した。(1)FADを共存させないとき、αとβは可逆的に解離会合し、単量体・二量体平衡にある。(2)二量体(αβ複合体)がFADと強い親和性をもつので、FADの共存下ではαとβの結合が促進する。ゲルろ過法による実験結果は上記結論を支持するものであった。 2.FADとアポ蛋白との結合に対するハロゲンイオンの影響を調べ、フラビン-蛋白間の相互作用について検討した。カオトロピックイオンとしての性質が強いハロゲンイオンほど、FADと蛋白との親和性を弱めることから、FADと蛋白との結合に疎水的相互作用が重要なことが示唆された。 3.種々のpHでETFの分光測定(吸収、蛍光)を行ない、フラビン結合部位周辺の構造を調べた。チロシン残基のフェノ-ル水酸基の解離による分光特性の変化を分析したところ、フラビンの近くにチロシン残基が存在し、フラビン環と直接相互作用していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Nishina: "Proton release from flavoprotein D-amino acid oxidase on complexation with the zwitterionic ligand trigonelline" J.Biochem.
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[Publications] K.Sato: "A study of the association-dissociation equilibrium of subunits of electron-transferring flavoprotein" Jpn.J.physiol.39. S16 (1989)
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[Publications] Y.Nishina: "Control by ligand binding of reaction between semiquinoid form of flavoprotein D-amino acid oxidase and molecular oxygen" Jpn.J.Physiol.39. S16 (1989)