1990 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部CRF合成分必の24時間リズムと概日性及び食餌性振動入力の解析
Project/Area Number |
01570081
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 研一 北海道大学, 医学部, 助教授 (40113625)
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Keywords | コルチコステロン / サ-カディアンリズム / ノルアドレナリン / 室旁核 / 制限給餌 / in vivoマイクロダアリシス / メトアンフェタミン / ラット |
Research Abstract |
自由摂食下で飼育されているラットの血中コルチコステロンは視床下部視交叉上核のサ-カディアン振動体に支配され,明暗サイクルに同調した24時間リズムを示すが、給餌を一日の一定時核に制限されたラットの血中コルチコステロンは給餌直前にピ-クを示すようになる。前年度の研究により、このホルモンピ-クはノルアドレナリンの涸渇剤である6ーOHDAの視床下部室傍核内投与により消失することから、給餌前ピ-クの形成には室傍核ノルアドレナリン作動性ニュ-ロンの関与が示唆された。そこで本年度は、室傍核ノルアドレナリンの分泌動態を反映していると考えられる室傍核細胞外ノルアドレナリン濃度をin riroマイクロダイアリシスの手法を用いて測定し、血中コルチコステロン変動との時間的相関を検討した。 明暗条件下で飼育している。雄ラットを対象として、自由摂食下および給餌を午前10時から12時までに制限した周期的制限給餌下において、室傍核細胞外ノルアドレナリンの経時変化を24〜48時間にわたり測定した。クプロファン膜を用いた自作の透析プロ-ベを室傍核に慢性留置し、透析液中のノルアドレナリンを高速液体クロマトグラフィで測定した。この手法によりノルアドレナリン分泌の検討が可能なことは、メトアンフェタミン投与による細胞外ノルアドレナリンの著明な増加を観察することで確かめた。自由摂食下では室傍核ノルアドレナリンは暗期に高く明期に低い顕著な24時間リズムを示し、48時間連続測定でも再現性は良好であった。一方、周期的制限給餌を2週間行った後は、室傍核ノルアドレナリンは給餌直前に高値を示し、給餌後低下した。以上の結果より、制限給餌下では血中コルチコステロンと室傍核細胞外ノルアドレナリンの経時変化はよく対応しており、ノルアドレナリンがコルチコステロン分泌に捉進的に作用しているとする仮説が支持された。
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[Publications] Honma,K.: "Seasonal variation of the circadian rhythms in sleepwaketulness,rectal tenperature and plasma mela tonin leuel in 10 healthy scebjects." Jap.J.Psychiat.Neurol.44. 161-162 (1990)
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[Publications] Honma,K.: "Does methyl cobalamin (vitamin B_<12>) in crease the light sonsitivity of human circadian clock?" Jap.J.Psychiat.Neurol.45. (1991)
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[Publications] Honma.S.: "Methamphetamine effects on rat circadian clock clepend on acto graph." Physiol.Behav.(1991)
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[Publications] 本間 研一: "神経内分泌と行動:睡眠覚醒リズム" CLINICAL NEUROSCIENCE. 8. 404-406 (1990)
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[Publications] 本間 研一: "視交叉上核非依存性サ-カディアンリズム" 神経研究の進歩. 35. 883-891 (1990)
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[Publications] 本間 研一: "覚醒剤と生体リズム" 脳と精神の医学. 2. (1991)
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[Publications] 高橋 三郎,他 編: "臨床時間生物学" 朝倉書店, 328 (1990)