1990 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜情報伝達機構におけるアドレナリン受容体亜型間の相互作用
Project/Area Number |
01570110
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Research Institution | Sapporo Medical College |
Principal Investigator |
大鹿 英世 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 永一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20204985)
竹村 晴夫 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20106462)
八田 愼一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60094223)
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Keywords | アドレナリン受容体 / 耳下腺 / アミラ-ゼ放出 / 細胞内カルシウム / モネンシン / 培養心筋細胞 |
Research Abstract |
アドレナリン受容体亜型間の相互作用の可能性を、細胞情報伝達系の受容体、G蛋白、細胞内セカンドメッセンジャ-それぞれについて検討した。 1)新生仔ラット心臓から分離した初代培養心筋細胞について、アドレナリン作動薬による拍動数の変化を比較検討した。ノルアドレナリンおよびフェニレフリン(PHE)は濃度により拍動数を増加もしくは減少させた。アルファ-遮断薬によりPHEによる拍動数の増加は増強されたのに反して、拍動数の減少は消失した。ベ-タ-遮断薬では拍動数減少の傾向が強まった。さらにベ-タ-作動薬に24時間暴露した細胞では、濃度の低いPHEほど、拍動数を増加させる傾向を示した。イノシト-ル燐酸代謝はPHEの10^<ー7>ー10^<ー4>Mの間では濃度依存的に増加した。他方、cAMP産生はイソプロテレノ-ルやノルアドレナリンで増加が認められる濃度(10^<ー6>M)のPHEでも殆ど認められなかった。これらの細胞の膜には明らかに、Gs Giの存在がそれぞれの抗体で同定されたが、培養開始後、6ー7日までこれらが増加した。 2)ラット耳下腺分離細胞を用いて、ベ-タ-作動薬によるアミラ-ゼ放出への、細胞内Na^+イオンレベルの影響が検討された。Na イオノフォアのモネンシンは濃度依存的に細胞内Na^+濃度を高め、かつCa^<2+>レベルを上昇させた。外液Ca^<2+>を除去すると、モネンシンによる細胞内Ca^<2+>レベルは低下したが、用量依存性の上昇は認められた。モネンシンによるアミラ-ゼ放出は、僅かではあったが有意の放出増加を引き起こした。イソプロテレノ-ル、およびdibutyryl cyclic AMP によるアミラ-ゼ放出について、モネンシンは用量依存的に放出を抑制した。しかし、カルバコ-ルによるアミラ-ゼ放出には影響を与えなかった。さらに、モネンシンはベ-タ-刺激によるcyclic AMP産生にたいしても変化させなかった。このことから、細胞内のNa^+イオン濃度の上昇が、Protein kinase A 活性を選択的に調節している可能性が推測された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 宮本 篤: "Membrane viscosity correlates with ーadrenergic signal transduction of the aged rat cerebral cortex" J.Neurochem.55. 70-75 (1990)
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[Publications] 李 智: "耳下腺腺房細胞のアミラ-ゼ放出機能に対するNaイオノフォア,モネンシンの効果" 札幌医学雑誌. 60. 93-102 (1991)
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[Publications] 八田 愼一: "老化に伴うβアドレナリン作動薬に対するアデニル酸シクラ-ゼ反応性の変化" 第18回薬物活性シンポジウム講演要旨集. 163-169 (1990)
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[Publications] 木村 永一: "Simple isolation method of neonatal rat cardiac myocytes and the development of primary culture of cardiac myocyte in culture" In Vitro.
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[Publications] 竹村 晴夫: "非興奮性細胞における受容体作動性カルシウム流入の活性化機構" 日本薬理学雑誌. 97. (1991)
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[Publications] 大鹿 英世: "臨床生理学シリ-ズ6巻腸" 南江堂, 281 (1990)