1990 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ胎盤における新規プロラクチン様蛋白質遺伝子群の発現と生理的意義に関する研究
Project/Area Number |
01570128
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Research Institution | MIE University |
Principal Investigator |
中島 邦夫 三重大学, 医学部, 教授 (40022800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 稔 農林水産省, 蚕糸昆虫農業技術研究所・生体情報部, 室長 (30183677)
田中 実 三重大学, 医学部, 講師 (90024736)
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Keywords | bPLPーIV / ウシプロラクチン様ホルモン / PRL / GH遺伝子ファミリ- / ウシ胎盤 / C末端ジスルフィド結合 |
Research Abstract |
ウシ胎盤において発現しているプロラクチン様タンパク質のcDNAクロ-ンについて、前年度までにbPLPーI(bPLーAla)、bPLPーIIおよびbPLPーIIIの塩基配列の解読を行ったが、平成2年度には新たなクロ-ンbPLPーIVの塩基配列解析を行った。bPLPーIVーはホルスタイン系ウシの胎盤から作成したcDNAライブラリ-に含まれ、ウシプロラクチンに類似の構造を示すとこからウシプロラクチン様ホルモンIVと命名されたものである。bPLPーIVのcDNAは1つの大きなオ-プンリ-ディングフレ-ムを持ち、全長237アミノ酸残基からなるタンパク質をコ-ドしていた。そのN末端側の36アミノ酸は疎水性に富むシグナルペプチドであると思われ、残りの201残基が成熟ホルモン分子を形成していると推定される。bPLPーIVのアミノ酸配列を調べると、他のウシプロラクチン様ホルモンとは52%以上の相同性を示し、ウシプロラクチンと48%、ウシ胎盤性ラクトゲンと40%、ウシ胎盤から発現するプロラクチン/成長ホルモン/胎盤性ラクトゲン遺伝子ファミリ-の一員であることが確認されたが、他のメンバ-とは異った特徴も見出された。すなわち、bPLPーIVは遺伝子ファミリ-全般に保存されているC末端側の2つのシステイン残基を欠いていた。このC末端部のジスルフィド結合による小ル-プ構造を欠くファミリ-メンバ-が見出されたのは今回の研究結果が世界で初めてのことである。bPLPーIVのウシ胎盤内における遺伝子発現について妊娠時期との関連を調べたところ、初期の2ケ月では殆んど発現せず、3ヵ月から発現が見られ、分娩時にかけて発現が増大していた。一方、児及び母体への特有な生理作用の存在が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Yamakawa,M.Tanaka,M.Koyama,Y.Kagesato,M.Watahiki,M.Yamamoto and K.Nakashima: "Expression of new members of the prolactin growth hormone gene family in bovine placenta" J.Biol.Chem.265. 8915-8920 (1990)
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[Publications] M.Yamakawa,M.Watahiki,Y.Kamioka,M.Yamamoto,M.Tanaka,Y.Nishiguchi and K.Nakashima: "Nucleotide sequence of cDNA and primary structure for hand tail growth hormone" Biochim.Biophys.Acta. 1087. 247-249 (1990)
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[Publications] M.Yamakawa,M.Watahiki,Y.Kamioka,M.Yamamoto,M.Tanaka,Y.Nishiguchi and K.Nakashima: "Homology in 5'ーand 3'ーnoncoding regions of hard tail growth hormone cDNA indicates close phylogenetic relationship in teleostei" Mie Med.J.40. 327-335 (1990)
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[Publications] M.Tanaka,H.Minoura,H.Ushiro and K.Nakashima: "A novel cDNA clone encoding a prolactinーlike protein that lacks the two Cーterminal cysteine residues isolated from bovine placenta" Biochim.Biophys.Acta. (1991)