1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570133
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 克也 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (70029966)
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Keywords | 昇圧物質 / 高血圧 / ジゴキシン様物質 / Na^+,K^+ーATPase / Deoxycorticosterone acetate / 尿 / ラット |
Research Abstract |
片側の腎臓を摘出し,deoxycorticosterone(DOCA)を投与し,1%食塩水を摂取させたラットの平均血圧はDOCA投与開始4週目以降には150mmHg以上となる。この様な高血圧ラットの尿よりアミコンの限外ろ過膜(YMー10),CMーSepharose cαlumn chromatography、sepharose Gー10 column chromatography、抗ジゴキシン抗体affinity chromatography,HPLC gel permeation chromatography、逆相HPLCーchromatogtaphyにてラット脳のNa^+,K^+ーATPase部分精製標を阻害し、無麻酔下に動物に投与すると血圧を上昇させるペプチド性物質を精製した。本物質は酸加水分解や,プロナ-ゼ,プロリダ-ゼ,リジンエンドペプチダ-ゼやアミノペプチダ-ゼPなどの酵素処理にて失活した。アミノ酸分析によると本物質には18個のアミノ酸が検出されるが,そのままシ-クエンサ-にて解析してもアミノ酸配列を決定することが出来なかった。このことから,本物質のペプチド部分のNー末端はブロックされているものと考えられる。現在このNー末端のブロックをはずし,そのアミノ酸配列を決定すべく努力中である。ところで,本物質は高血圧症の患者や高血圧動物の血中で増加していること,及び高血圧動物の脳には本物質が存在することを示す結果が報告されている。そこで,上記のDOCA投与高血圧ラットの脳及び血液から本物質の部分精製を試みたところ,血中では本物質の含量が増加していることを示す結果が得られたが,脳では得られなかった。本物質の同定後は抗体を作成し,ラジオイムノアッセイ法を確立して,DOCA投与高血圧ラットの尿中及び血中での本物質の変化を先ず明らかにしたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Katsuya Nagai: "Pertidergiv digitalisーlike substance in the urine of DOCAーtreated hypertensive rats" Life Science.
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[Publications] Katsuya Nagai: "Dimethylarginine has digitalisーlike activity,In:Guanidines 2(A.Mori,B.D Cohen and H.Koide,eds.)" Plenum Publishing Corporation, 115-122(8pages) (1989)