1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570145
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
渡辺 紀久子 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第2研究部, 研究員 (90211672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早石 修 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 所長 (40025507)
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Keywords | プロスタグランジン / PGF_2α / 9α・11βーPGF_2 / アルド・ケト還元酵素 / クリスタリン / PGF合成酵素 |
Research Abstract |
私達は、プロスタグランジン(PG)F合成酵素が分子量36、517の単一鎖の単純蛋白質であり、NADPHの存在下に一つの活性部位でPGH_2からPGF_2αを、他の活性部位でPGD_2かた9α,11βーPGF_2を生成するDual function enzymeであることを明らかにした。更に、本酵素の一次構造がアルド・ケト還元酵素群の酵素やρークリスタリンの一次構造と高い相似性があり、これらの蛋白が遺伝子群を作っていることも明らかにしてきた。本年度は、1.ρークリスタリンにおけるPGF合成酵素活性を調べること。更にPGF合成酵素の構造を明らかにするために2.大腸菌における本酵素の発現蛋白を用いた部位特異的変異と3.ドメイン構造の検討を行った。1.精製したρークリスタリンのPGF合成酵素活性はウシ肺のそれの1%程度かそれ以下であった。この結果、ρークリスタリンはPGF合成酵素と一次構造上高い相似性はあるものの、活性部位が変化していることが示唆された。2.遺伝子群を作っているアルド・ケト還元酵素群の酵素(PGF合成酵素を含む)及びρークリスタリンはアミノ酸配列において160から200に高い相似性と相同性があるが、酵素蛋白の^<195>Proは構造蛋白のρークリスタリンのみValに変換している。この点に注目しPGF合成酵素のProをValに変換した。対照として、蛋白化学上Proと性質の類似しているGlyへの変換も行った。その結果、ProからValに変化したものが本酵素の持つ二つの活性のうちPGD還元活性のみ低下しPGH還元活性は変化しなかった。3.本酵素のドメインを調べるためにトリプシンやV8プロテア-ゼを用いて限定分解を行った。その結果、本酵素は、二つの蛋白に分離し、その切断点は、前者が^<127>Lys、後者が^<133>Gluであることが分かった。以上の結果、本酵素は130付近に切断点ある少なくとも二つのドメイン構造を持つ蛋白で^<195>ProがPGD_2の活性部位に関与していることが明らかとなった。
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[Publications] Deborah A.Carper: "A Superfamily of NADPHーdependent Reductases in Eukaryotes and Prokaryotes" Exp.Eye Res.49. 377-388 (1989)
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[Publications] Yutaka Fujii: "Purification and Characterization of ρーCrystallin from Japanese Common Bullfrog Lens" J.Biol.Chem.(1990)
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[Publications] Yoshihiro Urade: "9α,11βーProstaglandin F_2 Formation Various Bovine Tissues" J.Biol.Chem.(1990)
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[Publications] Kikuo Watanabe: "Advances in Prostaglandin,Thromboxane,and Leukotriene Research(Samuelsson,B.,Wong,P.Y.K.,and Sun,F.F.)19,462ー465" Raven Press,New York, 723 (1989)
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[Publications] Kikuo Watanabe: "Prostaglandin F SynthetaseーA Dual Function Enzyme Enzymology and Molecular Biology of Carbonyl Metabolism 2,351ー364" Alan R.Liss,Inc.,New York, 432 (1989)