1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570154
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
箸本 英吉 福井医科大学, 医学部, 助教授 (20116239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 幸枝 福井医科大学, 医学部, 教務職員 (10197486)
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Keywords | 蛋白質燐酸化酵素 / Ca^<2+>燐脂質依存性蛋白質燐酸化酵素 / Na^+@H^+交換輸送系 / 限定分解反応 / 細胞増殖 / イオンシグナリング / プロテア-ゼ / 蛋白質燐酸化反応 |
Research Abstract |
今日プロテインキナ-ゼC(Cキナ-ゼ)は多くの細胞増殖因子によって引き起こされる細胞膜イノシト-ル燐脂質の代謝回転に伴って生じるジアシルグリセロ-ルや発癌プロモ-タ-ホルボ-ルエステルの直接の作用点として細胞増殖反応に深く関わっていることが予想されている。一方細胞の増殖時には細胞膜のNa^+/H^+交換輸送系が活性化され細胞内Na^+流入と細胞質のアルカリ化を引き起こしこれがDNA合成に至る初期反応の一つと考えられている。私共は肝細胞膜を用いて細胞増殖時におけるCキナ-ゼの役割を解析中細胞膜周辺のNa^+イオン強度の上昇やアルカリ化が膜結合性の本酵素(タイプIII)のトリプシン様セリンプロテア-ゼによる限定分解反応を促進することを見出した。活性化された酵素を解析したことろ分子量約5万のCa^<2+>燐脂質非依存性酵素と同定された。このようなCキナ-ゼの限定分解産物は再生肝においてもその生成が促進されることを既に明らかにしており、細胞の増殖時にCキナ-ゼがダウンレギュレ-ションを受ける可能性を示唆している。またCキナ-ゼはきわめてN末端側に近い領域で限定分解を受けると大部分の酵素分子を残したまま活性化型酵素になり得ることも明らかにした。新しいCキナ-ゼカゼインキナ-ゼ(タイプI)も分布しているがこの酵素は生理的なNa^+イオン強度の増加に応じて膜からの脱離を引き起し細胞質へ移行する。この反応は可逆的であり限定分解反応は関与せずイオン強度に依存した酵素の立体構造の変化が重要であると考えられた。またCキナ-ゼは多彩な融媒作用を有し特に細胞内の力粒画分に多くの内因性基質を有していることも今回明らかにした。今後本酵素の具体的な作用点や細胞増殖時きにおける限定分解反応を細胞レベルで詳細に解析し細胞増殖反応の分子機構の一端を明らかにしたいと考えている。
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[Publications] Hashimoto,Eikichi: "Ionic strength-dependent interaction of rat liver casein kinase I." Biochem.Biophys.Res.Commun.160(2). 633-637 (1989)
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[Publications] Kawata,Masahito: "Phosphorylation of smg p21-like GTP-binding protein,by cyclic AMP-dependent protein kinase in a cell-free system and in response to prostaglandin El in intact human platelets." J.Biol.Chem.264(26). 15688-15695 (1989)
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[Publications] Hashimoto,Eikichi: "Further studies on the ionic strength-dependent proteolyticactivation kinase C in rat liver plasma membrane by endogenous trypsin-like protease." J.Biochem.160(6). 1041-1048 (1989)
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[Publications] Hashimoto,Eikichi: "Comparison of substrate recognition by protein kinase(type III)between rat liver cytosolic and particulate fractions." Int.J.Biochem.
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[Publications] Hashimoto,Eikichi: "Mechanism of proteolytic activation of rat liver protein kinase C generating Ca^<2+>-phospholipid-independent from with apparent molecular mass of 80,000" Int.J.Biochem.