1990 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド形成・沈着におけるムコ多糖とアミロイドP成分の役割とアミロイド溶解因子
Project/Area Number |
01570166
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
浜崎 秀明 北里大学, 医学部, 助教授 (00050526)
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Keywords | アミロイド / ムコ多糖 / 糖タンパク質 |
Research Abstract |
1.アミロイドP成分が結合するリガンドの解明ーーーーアミロイドP成分はヒトの原発性アミロイド-シス、続発性アミロイド-シス、家族性アミロイドポリニュ-ロパシ-などの患者組織中に普遍的に見られる糖蛋白質で、Ca^<2+>依存的にアミロイドに結合している。本研究において我々はアミロイドP成分がアミロイド組織に普遍的に存在する原因を究明し、結合のリガンドがへパラン硫酸やデルマタン硫酸であることを明らかにし、従来の通説を覆した。最近、マウスを用いた実験アミロイド-シスにおいてヘパラン硫酸プロテオグリカンの出現がアミロイド細線維の沈着と時間的にも空間的にも一致することが外国の研究者により明らかにされたことと併せて、我々の研究成果により、アミロイド-シスの発症、あるいは組織におけるアミロイド細線維の形成と維持において、アミロイドP成分やヘパラン硫酸プロテオグリカンが何らかの重要な役割を演じていると考えられるようになった。 2.アミロイドP成分溶解因子の解明ーーーー我々はアミロイドP成分のCa^<2+>に依る会合およびP成分がヘパラン硫酸に強く結合することを明らかにした。本研究でさらに、各種のsulfated glycosaminoglycansを用いて、P成分の会合に対する阻害活性を調べ、高分子のデキストラン硫酸に強い活性を認めた。 3.糖蛋白質であるアミロイドP成分の糖鎖構造と結合活性の関係を明らかにし、生物活性を変えることなく糖鎖を修飾できる範囲を示した。またアミロイドP成分サブユニットの特定のリジン残基をトリニトロベンゼンスルホン酸で化学修飾すると生物活性を失うことを発見し、11残基中3つのリジン残基がへパラン硫酸との結合に関与するドメインに存在することを明らかにした。現在このリジン残基の配列部位を検索中である。
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Research Products
(1 results)