1989 Fiscal Year Annual Research Report
扁桃病巣感染症とみなされる掌蹠膿疱症の免疫病理学的解析
Project/Area Number |
01570173
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小泉 富美朝 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70018323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉茂 洋一 富山医科薬科大学, 医学部, 教務職員 (00126517)
川口 誠 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (50204699)
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Keywords | 扁桃病巣感染症 / 掌蹠膿疱症 / マクロファ-ジ系細胞 / 樹状細胞 / S-100蛋白陽性細胞 / ライソザイム陽性細胞 / モノクロ-ナル抗体 / 多核巨細胞 |
Research Abstract |
1)今年度は掌蹠膿疱症と習慣性アンギ-ナ症例の摘出扁桃組織におけるマクロファ-ジ系細胞の局在を比較する目的で、マクロファ-ジ系細胞の解析に有用とされているモノクロ-ナル抗体であるAnti-LeuM5(CD11c)、OKM13(CD13)、DAKO-Macrophage、FMC32、DAKO-MAC387のS-100蛋白陽性細胞における染色性を明確にする検討を行った。その結果、S-100蛋白陽性細胞のほとんどがAnti-LeuM5、DAKO-Macrophage陽性であり、半分以上の細胞がOKM13、FMC32陽性であった。DAKO-MAC387陽性細胞とS-100蛋白陽性細胞は、完全に別の細胞群であった。扁桃組織におけるS-100蛋白およびAnti-LeuM5、OKM13、DAKO-Macrophage、FMC32、DAKOーMAC387の染色性と考え合わせると濾胞間域、濾胞下域に存在するinterdigitating cellはすべてAnti-Leu M5、DAKO-Macrophage陽性で大部分がOKM13、FMC32陽性であることがわかった。またDAKO-MAC387は、パラフィン切片標本にも使用でき、lysozyme陽性マクロファ-ジ系細胞では、DAKO-MAC387陽性細胞と陰性細胞の2種類の存在が確認された。 2)掌蹠膿疱症の扁桃組織内に高率に出現する多核巨細胞はlysozyme陽性で、酸ホスファタ-ゼ陽性、α-naphthyl acetate esterase陽性、S-100蛋白陰性、ケラチン陰性を示し、単球マクロファ-ジの性格を有している。電顕的には、多核巨細胞内に貪食空胞の形成が目立ち、ミトコンドリアが比較的多く、活動性形態を示し、リンパ球やS-100蛋白陽性細胞との接着が認められる。 次年度は、掌蹠膿疱症の扁桃組織についてマクロファ-ジ系細胞と樹性細胞の分布について対照扁桃(習慣性アンギ-ナ)と比較する。また掌蹠膿疱症の皮膚病変について、リンパ球系細胞と非リンパ球系細胞(マクロファ-ジと樹状細胞)の反応様式を検討する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小泉富美朝: "扁桃における機能研究へのアプロ-チ" 日本扁桃研究会会誌. 28. 278-285 (1989)
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[Publications] 川口誠: "扁桃組織内S-100蛋白陽性細胞の免疫組織学的検討" 日本扁桃研究会会誌. 29. (1990)
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[Publications] 霜田ふゆみ: "扁桃組織の単核食細胞におけるMAC387陽性細胞の検討" 日本扁桃研究会会誌. 29. (1990)