1989 Fiscal Year Annual Research Report
組織特異マ-カ-としての中間径フィラメントの再検討
Project/Area Number |
01570182
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
向井 清 国立がんセンター研究所, 病理部, 室長 (20190837)
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Keywords | 中間径フィラメント / 上皮マ-カ- / 間葉系マ-カ- / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
中間径フィラメントは、細胞の起源を決める際に、上皮性、非上皮性、筋肉系、神経細胞などのマ-カ-として広く用いられている。しかし、これらのフィラメント蛋白の特異性については、以前考えられていたほど特異的ではなく、複数のフィラメント蛋白が一つの細胞で同時発現しうることなどが判明してきている。また、ホルマリン固定組織では抗原性の低下がおこることも知られている。本年度はこれらのフィラメント蛋白の発現を種々の組織で正しく把握するために、抗原性の保存のよいアルコ-ルあるいはアセトン固定組織を蓄積し、また多種類の抗体を用いて、フィラメント蛋白の検出を行い、情報を蓄積している。 一方、腫瘍におけるフィラメント蛋白の発現をみるために腫瘍組織も蓄積しているが、その中で胞巣状軟部肉腫の組織を用いて、筋肉の中間径フィラメントであるデスミンの免疫組織化学を行った。その結果、使用する抗体により反応性が異なり、特にホルマリン固定パラフィン切片では偽陰性となる場合が多いことを示した。この腫瘍の起源については、まだ定説がないが、この検討の結果や、中間径フィラメント蛋白の免疫組織化学に関する他の報告をあわせて考えると筋原性の可能性が非常に高いと思われる。その他に、胞巣状軟部肉腫におけるデスミン以外のフィラメントの発現や、各種の癌における中間径フィラメントの発現や、複数のフィラメント蛋白の同時発現などについて研究を継続中である。
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