1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570193
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
神谷 研二 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (60116564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横路 謙次郎 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (70034618)
丹羽 太貫 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (80093293)
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Keywords | ラット乳腺上皮細胞株 / ラット下垂体細胞株 / 自己増殖因子 / グルココルチコイド / 無血清培地 |
Research Abstract |
乳腺増殖因子の分泌細胞としてprolactin分泌性下垂体腫瘍(MtTーF4,MtTーF84)と、X線誘発下垂体腫瘍(PT1,PT3)から無血清培地で増殖可能な4系の下垂体細胞株を樹立した。4系の下垂体細胞株の培養上清の増殖活性を、前年度樹立した乳腺上皮細胞を標的細胞としたassay系で検索した。その結果、PT3の培養上清中に乳腺細胞に対する強い増殖活性を認めた。そこでPT3株から、培養上清中に、より強い増殖活性が認められるcc152細胞株を分離した。cc152細胞はinsulin存在下でglucocorticoidのdose依存性の増殖を示した。さらにcc152細胞株からglucocorticoid単独添加のみにより増殖可能なsubclone cc152ーc3細胞株を分離した。この細胞株の培養上清はcc152及びcc152ーc3細胞に対する増殖活性を有した。一方、glucocorticoidの増殖促進作用は、glucocorticoid受容体のantagonist RV486により阻止されることより、このglucocorticoidの作用はglucocorticold受容体により媒介されるものと考えられる。また、この培養上清の増殖活性はtrypsin及び熱処理により失活することから、ペプチド性因子であることが示された。 以上のことより、cc152ーc3細胞はglucocorticoidの刺激によりautocrine growth factor(s)を分泌している可能性が示唆された。ステロイドホルモンによる細胞増殖機構として、estrogenまたはandrogenの刺激により誘導される蛋白性増殖因子の存在が報告され注目されている。しかし、現在までのところglucocorticoidの刺激によりautocrine growth factor(s)を分泌する細胞株の報告はない。したがって、この因子の分離・精製な乳腺細胞の増殖機構の解析の一助となるのみならず、ステロイドホルモンによる細胞増殖機構の解析にも重要であると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 横路 謙次郎、丹羽 太貫、瀬山 敏雄、柳原 五吉、神谷 研二、榎 悦孝、新田 由美子: "転移の細胞・分子機構" Oncologia. 23. 40-46 (1990)
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[Publications] 横路 謙次郎、神谷 研二: "乳がんのリスク調査" わが国の放射線影響評価に資する情報の収集、分析、評価(原子力安全研究協会編). 11-16 (1990)
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[Publications] Kamiya,K.,Gould,M.N.& Clifton,K.H.: "Differential control of alveolar and development in grafts of monodispersed rat mammary epithelium." Proc.Soc.Exp.Biol.Med.196. 284-292 (1991)
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[Publications] Kamiya,K.,Kim,N.D.,Gould,M.N.& Clifton,K.H.: "Repair of potentially lethan damages in rat mammary clonogens following irradiation in organoid culture." Int.J.Radiat.Biol.