1989 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド線維の形成と吸収のメカニズム:プロテインA・金コロイド法による検討
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01570195
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
高橋 睦夫 山口大学, 医学部, 助教授 (50112230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内野 文彌 山口大学, 医学部, 教授 (20034902)
石原 得博 山口大学, 医学部, 助教授 (70089910)
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Keywords | アミロイド-シス / Kupffer細胞 / 免疫電顕 / 細胞内形成 |
Research Abstract |
マウスにamyloid enhancing factorとカゼインを投与してアミロイド-シスを短期間に惹起させ以下の実験を行った。投与後4日目で肝部分切除術を施行してアミロイドの微量沈着を確認した後、1〜2週間放置し沈着したアミロイドを吸収させた。肝の部分切除組織および吸収期の肝組織を抗マウスアミロイド抗体を用いて免疫電顕法(プロテイン金・コロイド法)により、アミロイド線維の形成像と吸収像を比較検討した。 アミロイド線維形成期では、Kupffer細胞の胞体の複雑な弯入部に一致して細胞外に束状のアミロイド線維が認められた。又、この時期では、Kupffer細胞の胞体内の円形〜菱形のライソゾ-ムあるいはファゴゾ-ムに一致して免疫電顕法で金粒子の付着が認められた。これらの小器官にはアミロイド線維と考えられる線維構造を有するもののみならず均一無構造なものも認められた。 アミロイド吸収期では、細胞外に沈着したアミロイド線維の束状配列は減少し、多くはフェルト状を呈していた。この時期のKupffer細胞は相当数の不整形のファゴゾ-ムを有し、それらの中に貪食された他の物質に混じてアミロイド線維も認められた。又、一部では、線維構造を有さないファゴゾ-ム内にも金粒子の付着が認められた。 以上の結果より、アミロイド線維形成期と吸収期のKupffer細胞において、金粒子の付着したライソゾ-ムあるいはファゴゾ-ムに超微形態的に相違がみられ、前者はアミロイド線維形成像、後者はアミロイド線維の貪食・吸収像と考えられた。これらの所見は、脾のアミロイド形成期および吸収期におけるマクロファ-ジでみられたものとよく一致していた。 今回の実験結果より、アミロイド線維の一部はKupffer細胞の胞体内でも前駆蛋白(SAA)より形成されることが確認された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mutsuo Takahashi,et al.: "Ultrastructural evidence for intracellular formation of amyloid fibrils in macrophages" Virchows Archiv A Pathological Anatomy and Histopathology. 415. 411-419 (1989)
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[Publications] Mutsuo Takahashi,et al.: "Intracellular formation of amyloid fibrils in Kupffer cells" Amyloidosis.