1989 Fiscal Year Annual Research Report
Kupffer細胞の増殖能及び細胞回転に関する研究
Project/Area Number |
01570200
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
内藤 眞 熊本大学, 医学部, 助教授 (30045786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守 且孝 熊本大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10040213)
竹屋 元裕 熊本大学, 医学部, 講師 (90155052)
高橋 潔 熊本大学, 医学部, 教授 (70045631)
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Keywords | Kupffer細胞 / 単球 / ^<89>Strontium / 増殖 / 肉芽腫 / マウス |
Research Abstract |
本年度は骨髄を選択的に照射するStrontium-89(^<89>Sr)をマウスに投与して高度の単球減少状態を8週以上持続するのに成功し、この単球減少マウスを用いて下記の研究を行った。 1.単球減少状態のKupffer細胞の増殖能 ^<89>Sr投与後単球減少マウスのKupffer細胞は徐々に増加し、Kupffer細胞の^3HTdR標識率も対照群の2〜4倍に増加した。ペルオキシダ-ゼ酵素電顕的にこれらKupffer細胞は在住マクロファ-ジであった。単球減少マウス肝のCFU-SとCFU-GMの検討からは肝にマクロファ-ジ前駆細胞は存在しないことが示された。以上の所見からKupffer細胞は骨髄起源の血液単球に由来するのではなく、自己分裂によって維持される細胞群と結論された。 2.単球減少マウスにおけるグルカン誘発肉芽腫形成 正常および^<89>Sr投与単球減少マウスにグルカンを投与し、異物肉芽腫の形成過程を比較した。単球減少マウスでは対照群に比較して肉芽腫形成は遅延し、少数、小型で単球を含まなかった。類洞内にはKupffer細胞の増加、^3HTdR標識率の亢進が見られ、電顕的にKupffer細胞の集合、ペルオキシダ-ゼ陰性マクロファ-ジ、類上皮細胞、多核巨細胞への変態が観察された。以上の所見から、血中からの単球の補給がなくてもKupffer細胞は局所で分裂、増殖し、肉芽腫形成に参画することが明らかにされた。 以上の様に本年度は単球減少状態でのKupffer細胞の動態を明らかにしたが、次年度は個体発生、生理的状態および移植肝でのKupffer細胞の起源と動態を^3HTdRオ-トラジオグラフィ-によって解明することを主な課題とする予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 内藤眞,山田正彦,高橋潔: "Kupffer細胞の形態、起源ならびに増殖能" 細胞. 20. 45-51 (1988)
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[Publications] Makoto Naito,Fumie Yamamura,Shin-ichi Nishikawa,Kiyoshi Takahashi: "Development,differentiation,and maturation fetal mouse yolk sac macrophages in cultures." J.Leukocyte Biol.46. 1-10 (1989)
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[Publications] Masahiko Yamada,Makoto Niato,Kiyoshi Takahashi: "Kupffer cell proliferation and glucan-induced granuloma formation in mice depleted of blood monocytes by strontium-89." J.Leukocyte Biol.47. (1990)
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[Publications] Makoto Naito,Kiyoshi Takahashi,Shin-ichi Nishikawa: "Development,differentiation,and maturation of macrophages in the fetal mouse liver." J.Leukocyte Biol.47. (1990)