1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570202
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大河原 進 熊本大学, 医学部, 助手 (10094088)
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Keywords | 炎症 / 多核白血球 / インタ-ロイキン1 / 内因性発熱因子 |
Research Abstract |
炎症局所で産生されるインタ-ロイキン1(IL-1)の内因性発熱因子としての意義を明らかにすることを目的とし、ウサギの腹腔に起こしたカゼイン炎症をモデルとして、以下の成績及び結論を得た。 ウサギの腹腔にアルカリ変性カゼインを注射すると、注射後1.5時間目より12時間目にわたる単峰性の発熱がみられ、そのピ-クは5時間にあった。我々が、免疫応答増幅因子として精製しN末端アミノ酸配列を決定した標品にも発熱活性が認められたが、その遺伝子情報に基づき作製したレコンビナントIL-1_βにも免疫応答増幅活性と発熱活性が認められた。カゼイン炎症局所より経時的に滲出細胞と滲出液を採取し、以下の解析を行った。滲出細胞中のIL-1mRNA量をIL-1cRNAを用いて定量すると、IL-1_βmRNAは2〜7時間目の細胞に検出され、細胞当りでは2時間目にピ-クがあったが、滲出細胞数の急増に併ない総量は7時間目にピ-クに達した。IL-1_αmRNAも同時期に検出されたが、量はIL-1_βmRNAの1/5以下であった。免疫応答増幅活性は、2〜9時間目の滲出細胞に検出され、細胞当り及び総量共に5時間目にピ-クを達したが、滲出液中には認められなかった。酵素抗体法を用いて、滲出細胞を界面活性剤を含む緩衝液で抽出しIL-1_β抗原量を測ると、2〜18時間目の細胞中に検出され、総量は9時間目にピ-クに達した。そして、5〜24時間目の滲出液中にも検出され、抗原量は5時間目がピ-クで、その量は発熱を起こすに十分の量であったが、血液中には検出されなかった。以上より、IL-1産正のピ-クに当る5時間目の滲出細胞を酵素抗体法で染色すると、滲出細胞の40%がIL-1_βを保有しており、その99%が多核白血球であり、染色の程度は、残りの1%を占めるマクロファ-ジとほぼ同等であった。 以上より、ウサギ腹膜炎時の発熱には、炎症早期に滲出した多核白血球がIL-1を合成して滲出液中に遊離する系が関与していると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Ohkawara: "Interleukin 1 production by polymorphonuclear leukocytes during the course of acute inflammation in rabbits" Dermatologica. 179. Supple.84-90 (1989)
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[Publications] Susumu Ohkawara: "Interleukin 1 as an inflammatory hormone" Acta Pathol.Jpn. 39. 85-100 (1989)
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[Publications] Fumimasa Goto: "Generation of interleukin 1 at inflammatory site:Kimetics and producing ulls" 動脈硬化. 16. 1097-1100 (1989)
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[Publications] F.Goto: "Biosynthesis of interleukin 1_β at inflammatory site in rabbits:Kinetics and producing cells" Brit.J.Exp.Pathol.70. 597-606 (1989)