1989 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫病自然発症マウスの新生時期胸腺摘除により新たに多発する自己免疫病
Project/Area Number |
01570208
|
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
田口 修 愛知県がんセンター研究所, 病理学第2部, 主任研究員 (00142167)
|
Keywords | マウス / 胸線摘除 / 自己免疫病 |
Research Abstract |
われわれは標準的なマウス(C57BL/6、A/J,C3H/He、等)の胸腺摘出を新生時期の生後3日におこなう(Txー3)と臓器局在性の自己免疫病が自然発症することを明かとしている。SLE様の全身性の自己免疫病を自然発症するマウスとして、NZB、BWF1,SL/Ni、MRLー1pr,等が開発されている。また、脾臓のランゲルハンス島に対する臓器局在性の自己免疫病を自然発症し、I型糖尿病を引き起こすNODマウスが開発されている。これらの動物の胸腺を新生時期に摘出し、本来発症する自己免疫の消長、並びに新たに臓器局在性の自己免疫病の発症があるかどうかを検討した。 C3H/Heーgld,C3H/Heーlpr.,MRL一rlマウスには生後3か月頃からリンパ節の腫大がみられる。このリンパ節腫大はTxー3により完全に予防できた。BWF1、NZB、MRLー1pr,等には糸球体腎炎が発症する。この病変の発現は尿中の蛋白濃度を検定することにより診断できる。Txー3マウスの尿中の蛋白濃度をウロペ-パ-で検定したかぎりにおいては、無処置マウスのそれと比較して、大差は認めなかった。NODマウスに発症する膵臓内のランゲルハンス島炎はTxー3によりあまり影響をうけなかった。自己免疫病を自然発症するマウスにおいて、Txを試みたすべての系統において、本来の病変に加えて、新たになんらかの臓器局在性の自己免疫病の発症がみられた。自己免疫病の発症のみられた臓器は甲状腺、胃、卵巣、精巣、前立腺、等である。
|