1989 Fiscal Year Annual Research Report
恙虫病リケッチア新株の確定と媒介ツツガムシのル-ツを求めて
Project/Area Number |
01570211
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大友 弘士 岐阜大学, 医学部, 教授 (80072916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 香理 岐阜大学, 医学部, 助手 (00205353)
粕谷 志郎 岐阜大学, 医学部, 講師 (20021438)
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Keywords | 恙虫病 / タテツツガムシ / フトゲツツガムシ / 単クロ-ン抗体 / アカネズミ |
Research Abstract |
現在までに岐阜県下の恙虫病患者13人よりリケッチア(Rt)が分離できた。これらと標準3株にて作成したモノクロナル抗体(MA)との反応性で分類を試みた。MAはKarp(Kp)、Kato(Kt)もしくはGilliam(GI)に特異的な(sp-MA)と2株もしくは全て反応する交又反応抗体(crs-MA)に分けられるが、13分離Rt中1株(KN-3)のみがKp-sp-MAと反応した。12Rtはいかなるsp-MAとも反応せず、いくつかのcrs-MAと反応した。shimokosi株(新潟)も同様であった。shimokosiは最も反応性が低く、crs-MAの1F11とC6にのみ反応した。岐阜分離株のKN-1はさらにもう一つのcrs-MAである3B2にも反応した。さらにKN-2は1C10にも反応し、GJ-1はさらに3C2と反応した。以上から、sp-MAと反応しない12分離Rtは3群に分けられ、しかも、shimokosi→KN-1→KN-2→GJ-1とMAで検出できる抗原せい増していくという連続性が推察できた。この連続性が南方へ向かっているのか、それとも九州、四国地方の株とこれら分離株が同一かといった問題点がクロ-ズアップされたことになる。 この地方で、Kp系1株と新かぶ3株が確認されたとの結論であるが、Kp系のKN-3はマウスに対しKpとほぼ同程度の病毒性を有するが、KN、GJシリ-ズはG1よりさらに弱毒であった。感染後各時期に脾細胞を採取し、PHA、Con-A、LPSの反応性を検討したところ、強毒株感染では全ての反応が低下し、死亡した。G1で全てが感染後7〜10日で低下したが2週で回復した。KNではCon-A反応のみが5日に一過性に軽度抑制されたのみであった。以上より、抗原性の差異は病毒性の差異にもつながっているようである。さらに多地域での共同研究の必要性を痛感する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mitsuhiro Iwasa,Shiro Kasuya,Nobuji Noda,Atsushi Hioki,Akira Ito,Hiroshi Ohtomo: "Trombiculid mites and Rickettsia tsutsugamushi isolated from wild rodents in a new endemic area of Japan" Journal of Medical Entomology. (1990)
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[Publications] 粕谷志郎、古賀香理、日置敦巳、大友弘士、岩佐光啓、野田伸司: "岐阜県の恙虫病-ヒト型リケッチアはタテツツガムシに野猟型リケッチアはフトゲツツガムシに媒介される" 感染症学雑誌. (1990)
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[Publications] Isao Nagato、Shiro Kasuya、Nobuji Noda、Tsuneko Ikeda、Hiroshi Ohtomo: "Biological and Immunological Natures of Rickettsia tsutsugamushi Isolated from Patient in Gifu Prefecture Which is One of New Endemic Areas in Japan"