1990 Fiscal Year Annual Research Report
Clostridium difficileートキシンAの構造と機能の解析
Project/Area Number |
01570231
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 信一 金沢大学, 医学部, 教授 (90019620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 清孝 金沢大学, 医学部, 助手 (20110629)
神谷 茂 金沢大学, 医学部, 講師 (10177587)
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Keywords | C.difficile / トキシンA / 電気泳動 / サブユニット / モノクロ-ナル抗体 / 酵素抗体法 / 中和活性 |
Research Abstract |
サイログロブリンアフィニティクロマトグラフィ-,QSepharose FF,Mono Qカラムクロマトグラフィ-により精製したC.difficileトキシンAをホルマリン処理によりトキソイド化した後,フロイント不完全アジュバントと共にマウス腹腔内に注射して免疫を行った。摘脾後、脾細胞とマウスミエロ-マ細胞とをポリエチレングリコ-ルにて融合させ、常法に従いHAT培地でハイブリド-マ細胞を選択レクロ-ニングした。5回の融合実験により9種類のMAb(2E15,3B4,23C5,37B5,45A6,49C4,49C4,61B5,112G6)が得られた。精製トキシンAに対するこれらのMAbの反応性を各々のMAbのマウス腹水を用い間接ELISAにより検討した結果、37B5のELISA価は10^5で最も高く、次いで2E15、3B4、23C5、46A6では10^4、他は10^3であった。MAbのアイソタイプは、37B5がIgG2b,Kであり、他は全てIgM,Kであった。トキシンAの未変性PAGE後、イムノブロッテイングによりMAbとの反応性を解析した。112G6以外の8種のMAbは全て540KDaのトキシンAバンドと反応したが、特に37B5が強く反応した。次いで、トキシンAの非還元(βーメルカプトエタノ-ル非処理)。還元(βーメルカプトエタノ-ル処理後)SDSーPAGE後、イムノブロッテイングを行い、MAbとの反応性を検討した。還元剤による処理の有無に拘らず、2E15、3B4、23C5、37B5、45A3、49C5は240KDaのバンドと反応したが、46A6、61B5、112G6、では反応が認められなかった。37B5の反応性が最も強く、本MAbは160〜380KDaのマイナ-バンドとも陽性反応を示した。トキシンAの細胞毒性、マウス致死活性、赤血球凝集活性に対する中和能はいずれのMAbにも認められなかった。またこれらの活性は9種類のMAbを混合しても中和されなかった。ル-プ活性中和試験の結果、37B5はトキシンAによる液体貯留活性を完全に中和した。以上の結果は赤血球凝集活性がトキシンAのル-プ活性の発現に必須ではないことを示している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Kamiya: "Recovery of spores of Clostridium difficile altered by heat or alkali" Journal of Medical Microbiology. 29. 217-221 (1989)
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[Publications] S.Kamiya: "Modification of purification method for Clostridium difficile toxin A by thyroglobulin affinity chromatography and characterization of the purified toxin A" Japanese Journal of Medical Science and Biology. 42. 186-187 (1989)
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[Publications] 中村 信一: "クロストリディウム・ディフィシルの病原因子" 医学細菌学. 5. 56-97 (1990)
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[Publications] S.Hayashi: "Microcirculatory disturbance in Clostridium difficile toxin induced hemorrhagic enterocolitis" Microcirculation Annual 1990. 109-110 (1990)
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[Publications] S.Kamiya: "Production of monoclonal antibody to Clostridium difficile toxin A which neutralises enterotoxicity but not haemagglutination activity" FEMS Microbiology Letters.
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[Publications] S.Kamiya: "Purification and characterization of intracellular toxin A of Clostridium difficile" Journal of Medical Microbiology.