1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570234
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 雅臣 大阪大学, 薬学部, 教授 (90028829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 佳津治 大阪大学, 薬学部, 助手 (50217113)
田窪 芳博 大阪大学, 薬学部, 助教授 (40171590)
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Keywords | B.megaterium / 発芽変異株 / トランスポゾン挿入変異 / コルテックス / 発芽遺伝子 / クロ-ニング / 塩基配列 |
Research Abstract |
本年はまずBacillus megaterium ATCC12872菌において、発芽剤(グルコ-ス、プロリン、ロイシン)の認識に関与すると考えられる蛋白質がコ-ドされているDNA断片(約2kb)についてその塩基配列を決定した。 その結果、この遺伝子断片には1)アミノ酸250残基よりなるORFが一つ含まれ、2)そのプロモ-タ領域にはσ^<43>により認識されるコンセンサス配列が存在し、また、3)このORFにコ-ドされている蛋白質はそのアミノ酸組成より極めて親水性の高いペプチドと考えられるが、ホモロジ-検索の結果、塩基レベルでホモロジ-をもつ既知の遺伝子は認められなかった。 次に、我々はトランスポゾンTn917を用いて発芽変異株の単離をおこない二つの異なるタイプの発芽変異株を得た。すなわち、その芽胞が種々の発芽剤に対して全く発芽能を示さないタイプIの変異株(例えばTMー4株)および脱イオン水のみでも発芽するタイプIIの変異株(例えばTMー23株)である。タイプIIの変異株芽胞を芽胞殻蛋白質抽出法であるドデシル硫酸ナトリウムージチオスレイト-ル(pH9.8)(SDSーDTT)処理を行うと、野性株同様脱イオン水では発芽しなくなった。また、SDSーDTT処理前後での芽胞の超溥切片電子顕微鏡像より(コルテックス+プロトプラスト)の体積に対するコルテックスの体積比を比べると、SDSーDTT処理によりこの値が大きく増加することが分かった。このような形態変化の機構については未だ不明であるが、このタイプの芽胞ではコルテックスの不十分な収縮により脱イオン水のみでも発芽が起こるものと考えられる。一方、タイプIの発芽変異株芽胞では発芽剤により耐熱性の減少も見られないことより、発芽開始反応初期の共通の素過程に関与する遺伝子の変異と考えられた。そこで、TMー4株を用いてトランスポゾン挿入部位近傍の遺伝子のクロ-ニングおよび塩基配列決定を行ったところ、既知の遺伝子の塩基配列とは全く異なる配列を有していた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Katsuji Tani: "Identification of Germination Gene of Bacillus megaterium" Biochemical and Biophysical Research Communications. 167. 402-406 (1990)
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[Publications] Katsuji Tani: "Isolation of New Germination Mutants of Bacillus megaterium" Biochemical and Biophysical Research Communications.
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[Publications] Katsuji Tani: "Analysis of the Germination Gene of Bacillus megaterium" Microbiology and Immunology.