1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570241
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小熊 恵二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00002262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横沢 紀子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50167722)
藤井 暢弘 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (90133719)
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Keywords | ボツリヌス毒素 / 毒素遺伝子 / クロ-ニング / ボツリヌス菌 / ブチリカム菌 / 乳児ボツリヌス症 |
Research Abstract |
ボツリヌスC、D、E型毒素を精製し、これらに対するモノクロ-ナル抗体を作製した。これを用いて、各毒素間の抗原構造およびその作用を解析した。 毒素遺伝子のクロ-ニングは、文部省より許可が得られたので、全力をあげて行った。まず、毒素遺伝子がC型、D型菌ではファ-ジDNA上に、E型およびブチリカム菌では菌の染色体上に、存在することを明らかにし、上記モノクロ-ナル抗体を利用して、それら遺伝子のクロ-ニングに成功した。C型の場合、EcoRI切断DNA断片中、7.8kbpsには毒素のN末端側の遺伝子が、3.0kbpsには毒素のC末端側の遺伝子が存在しており、両断片で全毒素をコ-ドしていることが明らかとなった。現在、遺伝子をプラスミドpUC118に挿入し、ザンガ-法で塩基配列を決定しているが、これまでに約1000個の塩基配列を決定した。 E型菌の場合は、ファ-ジではなく菌の染色体上に毒素遺伝子は存在していたが、この場合も、毒素のN末端側をコ-ドしているものがEcoRIの切断片(1kbps)中に得られた。現在、このうち400個程の塩基配列を決定している。 乳児ボツリヌス症をきたしたE型毒素を産生するブチリカム菌を米国CDCより入手し、この毒素遺伝子を検察したところ、上記E型菌の場合と同様に、菌染色体のEcoRI断片(1kbps)上に存在していた。この遺伝子は、E型菌のものとはプロモ-タ-やSD配列は完全に、その他の部分もほとんど一致していた。従って、何らかのベクタ-を介して、E型毒素遺伝子がブチリカム菌に持ち込まれたものと推察された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yokosawa,N.: "Binding of Clostridium botulinum type C neurotoxin to different neuroblastoma cell lines." lnfect.lmmun.57(1). 272-277 (1989)
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[Publications] Moriishi,K.: "Molecular diversity of neurotoxins from Clostridium botulinum type D strains." lnfect.lmmun.57(9). 2886-2891 (1989)
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[Publications] Toratani,S.: "lmmuno-crossreactivity between botulinum neurotoxin type C_1 or D and exoenzyme C3." FEBS Letters.252,1,2. 83-87 (1989)
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[Publications] Kimura,K.: "Cloning and partial nucleotide sequence of the structure gene for Clostridium botulinum type C_1 toxin" Japan.J.Med.Sci.Biol.42. 194-195 (1989)
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[Publications] Oguma,K.: "Recent Advances In Microbial Ecology" Hattori,T., (1989)
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[Publications] 小熊恵二: "遺伝子から見た細菌の病原性" 吉川昌之介, (1989)