1989 Fiscal Year Annual Research Report
C型インフルエンザウイルス糖蛋白質のレセプタ-認識と破壊における活性発現部位
Project/Area Number |
01570250
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
北目 文郎 山形大学, 医学部, 助教授 (40004676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝口 和彦 山形大学, 医学部, 教務職員 (20143125)
西村 秀一 山形大学, 医学部, 助手 (50172698)
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Keywords | C型インフルエンザウイルス / 赤血球凝集活性 / レセプタ-破壊活性 / セリンエステラ-ゼ / 単クロ-ン抗体 / 糖蛋白質 |
Research Abstract |
C型インフルエンザウイルスでは、レセプタ-認識能(HA)と破壊能(RDE)の2つの活性が1つのHE糖蛋白質(m.wt;88K)に担われているものと推測されている。HAとRDEの活性発現部位をHE分子上に位置付けることを目的に、本年度は以下の2点の研究を実施した。 1.HAとRDEの両活性を同時に阻止する4種の抗HE単クロ-ン抗体を用い、これらの抗体との反応性を欠如した変異ウイルスを11株得た。これらの変異株はいずれも、鶏とヒトの赤血球に対するHAとRDE活性の双方に変化を来していた。従って、これらの株のHE分子上における変異箇所を明らかにすれば、両活性の発現に深く関わっている部位を推定し得ると考え、これまでのことろ、9株のHE遺伝子の全塩基配列を決定し、以下に述べる成績を得ているが、両活性の発現部位を特定するまでには至っていない。(1)全変異株で、アミノ酸の置換を伴う1塩基変異が固定された。(2)全変異部位はHE_1サブユニット上に位置し、N端から、186,187,190,245,283,及び367番目に分散していた。(3)これらの変異部位は、いずれもヒト分離株の解析から推定されている所謂、variable portionとは異なる場所に位置していた。 2.我々は既に、RDEの本体がセリンエステラ-ゼであり、界面活性剤のMEGA-10を用いることにより、HAとRDE活性を保持した状態でHEを単離し得ることを明らかにしている。精製HEの活性セリン残基を^3H-DFPで標識後、BrCNで分解し、得られたペプチド断先の中から、放射活性を持つ断先を単離精製し、これのアミノ配列から活性セリン残基を同定する研究を行っている。現在、分子量約6Kのペプチドを得、ゲル濾過と高速液体クロマトグラフィ-を用いて精製をくり返し行っているところである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Hachinohe,K.Sugawara,H.Nishimura,F.Kitame,and K.Nakamura: "Effect of anti-haemagglutinin-esterase glycoprotein monoclonal antibodies on the receptor-destroying activity of influenza C virus" Journal of General Virology. 70. 1287-1297 (1989)
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[Publications] K.Adachi,F.Kitame,K.Sugawara,H.Nishimura,and K.Nakamura: "Antigenic and genetic characterization of three influenza C strains isolated in the Kinki district of Japan in 1982-1983" Virology. 172. 125-133 (1989)
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[Publications] H.Nishimura,K.Sugawara,F.Kitame,K.Nakamura,N.Katrushima,H.Moriuchi and Y.Numazaki: "A human melanoma cell line highly susceptible to influenza C virus" Journal of General Virology. 70. 1653-1661 (1989)
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[Publications] 松崎正賓,安達和仁,菅原勘悦,西村秀一,北目文郎,中村喜代人: "C型インフルエンザによる実験室内感染" 山形医学. 8. 41-51 (1990)
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[Publications] K.Takiguchi,M.Tashiro and K.Nakamura: "Influenza C virus infection in rats" Microbiology and Immunology. 34. 35-44 (1990)
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[Publications] H.Nishimura,M.Hara,K.Sugawara,F.Kitame,K.Takiguchi,Y.Umetsu,A.Tonosaki and K.Nakamura: "Characterization of the cord-like structures emerging from the surface of influenza C virus-infected cells." Virology.