1989 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウィルスRNA合成酵素の機能解析及び新しいワクチン株製造法の開発
Project/Area Number |
01570257
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中田 進 東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (90129255)
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Keywords | インフルエンザウィルス / RNAポリメラ-ゼ / BPVベクタ- / MMTV・LTR / 温度感受性変異ウィルス株 / 増殖の相補作用 |
Research Abstract |
1.インフルエンザウイルス遺伝子を動物細胞で発現させる為に、ホルモン(dex)で転写を制御できるプロモ-タ-を有するマウス乳癌ウィルス(MMTV)のLTRの下流にウィルスRNA合成酵素(PB2、PB1、PA)及び核蛋白質(NP)遺伝子の各cDNAをつなぎ、マウスC127細胞内でエピゾ-ムとして自律増殖するウシパピロ-マウイルス(BPV)DNAに挿入した組換えDNA、pBMSA-PB2、pBMSA-PB1、pBMSA-PA、及び、pBMSA-NPを作製した。 2.これら4種の組換えDNAをneomycin耐性遺伝子の発現ユニットを有するプラスミドと一緒にCa-POX_4共沈法でマウスC127細胞に導入し、得られたneo耐性細胞株の中からdex無添加の場合にはウィルスmRNAを殆ど産生しないが、dex添加により多量のウィルスmRNAを誘導し得る細胞株をドットブロット法により二十数株得た。これらの細胞株のうち、導入した4種のウィルス遺伝子のうち少なくとも3種の遺伝子をdex投与により誘導できる細胞株をノ-ザ-ンブロット法で数株選択した。 3.得られた細胞株を用いて、非許容生育温度でそれぞれの遺伝子の温度感受性変異(ts)株の増殖を相補できるかどうかを調べたところ、クロ-ン7株ではPB2、PB1の2種のts株を100倍以上、PA、NPのts株を10倍程度相補した。この結果は導入したウィルス遺伝子のうち、PB2、PB1遺伝子は十分発現しているが、PA、NP遺伝子の発現は十分でないことを示している。現在、更に導入した4種全てのウィルス遺伝子を多量に発現し得る細胞株の樹立を試みている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Tsurui: "A rapid and efficient gene cloning method with a solid-phase DNA probe:application for cloning the 5´flanking resion of the gene encoding human fibronectin." Gene.
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[Publications] Y.Nakamura: "The regulated expression of the amplified influenza virus RNA polymerase genes and its effect on the complementation of ts influenza virus growth in mouse c127 cells." in preparation.
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[Publications] 鶴井博理: "固相化プロ-ブによる高効率クロ-ニング法" 細胞工学. 8. 650-1989 (1989)
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[Publications] 中田進(分担執筆): "医薬バイオテクノロジ-事典" 広川書店,