1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570258
|
Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
倉田 毅 国立予防衛生研究所, 病理部, 部長 (50012779)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 琢也 国立予防衛生研究所, 病理部一般病理室, 室長 (90146027)
佐多 徹太郎 国立予防衛生研究所, エイズ研究センター感染病理室, 室長 (00162397)
山西 弘一 大阪大学微生物病研究所, 麻疹部門, 助教授 (10029811)
|
Keywords | HHV6 / 腎移植 / 拒絶反応 |
Research Abstract |
HHV6は、突発性発疹後大部分の人でリンパ系組織に潜伏感染するものと考えられている。今回は、免疫抑制下における日和見感染としてのHHV6の役割について、特に腎移植患者例で検討した。(1)移植前後で、seroconversionのみられた2例で末血リンパ球からHHV6が分離でき、かつ移植腎は拒絶された。(2)21例の移植例で。移植前後でのHHV6抗体変動をみると、抗体価が4倍以上の有意の動きを示した8例では全て拒絶がみられた。一方、抗体変動のない13例で拒絶は5例にみられた。(3)抗体測定のなされていない拒絶腎で、HHV6抗原検出を行ってみると、11/19で陽性であった。1例の移植後拒絶反応がみられたものでは、移植前の1:10から半年後の1:80と上昇がみられ、針生検により抗原が検出された。(4)移植後の死亡例でみると、腎(14/18)、脾(5/18)、骨髄(5/18)、リンパ節(1/18)にHHV6抗原が検出された。これらの例で移植後肺で高率に活性化されるサイトメガロウイルスは,腎では検出できなかった。HHV6抗原はパラフィン切片を用いての免疫蛍光法、ABC法で検索すると髄質部、あるいは皮質部の尿細管上皮細胞と、間質に浸潤しているリンパ球および組織球に著明にみられた。これらの事実から、移植に際しての免疫抑制剤投与下での免疫能低下状態で、潜伏感染HHV6が再活性化され、移植腎の拒絶の一要因となりうることが十分に考えられる。今後さらにHHV6および他の要因との拒絶過程での相互作用について検討してみる必要がある。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Higashi,K.,Asada,H.,Kurata,T.et al.: "Presence of antibody to human herpesvirus 6 in monkeys" J.gen.Virol.70. 3171-3176 (1989)
-
[Publications] Okuno,T.,Higashi,K.,Yamanishi,K.,Kurata,T.et al.: "Human herpesvirus 6 infection in renal transplantation" Transplantation.
-
[Publications] Takahashi,K.,Sonoda,S.,Yamanishi,K.et al.: "Predominant CD4 Tーlymphocyte tropism of human herpesvirus 6ーrelated virus" J.Virol.63. 3161-3163 (1989)
-
[Publications] Okuno,T.,takahashi,K.,Yamanishi,K.et al.: "Seroepidemiology of human herpesvirus 6 infection in normal children and adults" J.Clin.Microbiol.27. 651-653 (1989)
-
[Publications] Balachandra,K.,Isarangkul,P.,Yamanishi,K.et al.: "Prevalence of antibody to human herpesvirus 6 in women and children" Microbiol.Immunol.39. 514-518 (1989)
-
[Publications] Kurata,T.,Sata,T.,Iwasaki,T.et al.: "Viral pathology of human herpesvirus 6 infection"