1989 Fiscal Year Annual Research Report
家庭用芳香・消臭剤の成分分析ならびにその生体に及ぼす影響
Project/Area Number |
01570296
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
青山 光子 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (50079977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 憲秀 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (10137119)
成瀬 正春 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (30156004)
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Keywords | 家庭用芳香・消臭剤 / 成分分析 / 実態調査 / 成長 / 妊娠 / マウス・ラット |
Research Abstract |
家庭用芳香・消臭剤の実態調査、成分分析ならびにその生体に及ぼす影響を実験的に検討した。実態調査は、家庭の主婦460名を無作為に選び、芳香・消臭剤の使用の有無を、その理由、使用場所、使用による被害等の経験、安全性に対する不安感等を面接により行った。その結果、使用している者は全体の77.4%と多く、使用場所は便所98.9%、自動車47.8%、玄関、居間の順であった。被害等の経験のうち多いのは香りが強すぎた40.7%、気分が悪くなった、頭痛がしたの順で、安全性についての心配は33.4%と約1/3が不安を訴えた。成分分析についてはガスクロマトグラフ(充填剤:polypropylene glycol 2025、担体:chromosorb WAW 80/100,カラム温度:110℃で液剤2種を分析したが、いずれもエチルアルコ-ル19.1%あるいは6.3%含有しており、その他の成分については現在検討中である。 生体への影響については、固形剤I、IIの2種を一日使用量0.72±0.29gとし、3週令のddy系雄マウス3グル-プ各30匹を、連日30日間午前10時から午後6時まで60×54×25cmの曝露箱内で曝露し、体重経過を観察、31日目に屠殺剖検した。体重経過はIについて対照よりやや体重増加が抑制される結果がみられ、剖検によりI,IIいずれも対照に比し肝重量が有意に大であった。ラットについてもマウスとほぼ同様の傾向がみられたが、マウスほど明らかではなかった。また、別に曝露した雄マウス10匹に対して各1匹につき非曝露の雌3匹を交配したが、対照に比して出産率および出産仔数に明らかな差はみられなかった。以上の結果より、家庭用芳香・消臭剤はその種類によっては高濃度連続使用すれば生体への影響等も考えられ、今後安全性について更に検討が必要であることが明らかとなった。
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