1990 Fiscal Year Annual Research Report
覚醒剤投与におけるラット心筋のミオシンアイソザイムの変化について
Project/Area Number |
01570335
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
藤谷 登 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (10156888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袖崎 賢一郎 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20216584)
的場 梁次 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (20107056)
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Keywords | Methampletamine / Heart / Myosinisoenzym |
Research Abstract |
今年度は、雄WisterーKYラット4週令を購入し、1週間予備飼育の後、メタンフェタミン(MA)を体重1kg当り1mg1日1回、1週間に6回皮下注射にて投与した。対照群として同量の生理食塩水を投与した。実験はMA投与期間を6週間、8週間、10週間の3群に分け、各群に対照群を作成した。なお1群は4〜9匹で構成した。ネナブタ-ル麻酔下に心摘出し、組織学的検索、ミオシンアイソザイム、ATPase活性を測定するための試料とした。各群の体重、心重量並びに心体重比はMA群と生食群の有意差は認めなかった。組織学的検索:6週間MA群では、中等度の肥大、筋融解、好酸性変性、細胞浸潤の他、コントラクションバンド壊死、空胞変性が認められた。8週間MA群では、肥大の程度は強くなる一方、筋構成蛋白の粗鬆化が強く認められ、6週間MA群で見られた心病変が全体的に強く存在し、一部心筋の錯綜配列が見られた。10週間MA群では、肥大した細胞は少なくなり、むしろ萎縮傾向が見られるようになり、こられ肥大、萎縮した心筋細胞が錯綜した像が所々に見られるようになってきた。また、筋融解やコントラクションバンド壊死、空胞変性などが一段と増強する傾向が見られたが、明らかな線維化は認められなかった。このような心病変は心室全体にわたり見られたが、中隔と左室との接合部に多く認められる傾向があった。ミオシンアイソザイムについては、現在の段階でMA群と生食群の大なる差は認められていない。又、10週群のMA群、生食群の心室筋よりアクトミオシンを調節し、Mg^<2+>ATPase活性を、10μM及び0.1μM遊離カルシウム存在下で測定した。0.1μMカルシウムの存在下の活性は、MA群と生食群に差は認められず、10μMカルシウム存在下の活性は、MA群が生食群に比し、低下する傾向が認められたものの有意差は認められていない。
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