1989 Fiscal Year Annual Research Report
ホルムアミジン系農薬の毒性と体内動態及び有機溶剤の影響ーアミトラズについてー
Project/Area Number |
01570338
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
飴野 清 香川医科大学, 医学部, 助教授 (50019626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福家 千昭 香川医科大学, 医学部, 助手 (60173374)
飴野 節子 香川医科大学, 医学部, 助手 (00032904)
井尻 巌 香川医科大学, 医学部, 教授 (90113183)
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Keywords | 中毒学 / 農薬 / アミトラズ / キシレン / 界面活性剤 / ガスクロマトグラフィ- / 熱イオン化検出器 / 薬物速度論 |
Research Abstract |
アミトラズは低毒性の殺虫剤・殺ダニ剤で、日本ではダニカット乳剤(日産化学、アミトラズ20%、キシレン75%、界面活性剤5%)が市販されている。まず、血清中アミトラズの簡便で高感度な測定法を検討したところ、Extrelut^R3による血清アミトラズの抽出率は95.5%、GCーFTDによる定量範囲は1〜200ng/mlであり、クロマトグラム上に妨害ピ-クは認められなかった。また、アミトラズ静注した犬の血清アミトラズ濃度を経時的に測定し2ーコンパ-トメントオ-プンモデルで解析したところ、各薬物速度論的パラメ-タ-はVd=1.49l/kg、α=14.3hr^ー、β=0.104hr^ー、t^<1/2>=6.67hrであった。次いで、ラットを用いてアミトラズと溶剤の毒作用のinteractionを(1)ダニカット乳剤、(2)アミトラズ/キシレン(2/7.5)、(3)アミトラズ/オリ-ブ油(2/7.5)、(4)アミトラズ/エタノ-ル(2/7.5)、(5)キシレン、(6)キシレン/界面活性剤(15/1)(7)オリ-ブ油、(8)エタノ-ル、(9)界面活性剤/水(0.5/9.5)の各0.3ml経口投与群および(10)無処置群について体重変動で検討したところ、(1)〜(4)群は眼瞼周囲の出血と4日後までの著明な体重減少が、(5)と(6)群は僅かな体重減少が1.5日後までそれぞれ見られ、(8)群は1.5日後まで体重は変わらず、(7)、(9)、(10)群は体重が増加し続けた。これらの結果はアミトラズとキシレンがラットの体重減少に影響し、特にアミトラズが著明であることを示すものの、一方(1)〜(4)の各実験群間の体重減少に大きな差異のないことからアミトラズとキシレンや界面活性剤間に相加的あるいは相乗的毒作用のないことが示唆された。各実験群において、投与後2日の血清の各種生化学的検査では、(1)〜(4)のアミトラズ含有液投与群の血清GOT値がその他の実験群よりも有意に高く、アミトラズの肝細胞障害が示唆された。なお、実際のヒトのアミトラズ中毒例についても検討した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山口芳裕: "アミトラズ中毒の1症例" 中毒研究. 2. 289-292 (1989)
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[Publications] 飴野清: "殺ダニ剤アミトラズの中毒学的研究" 日本法医学雑誌. 44(補冊). (1990)
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[Publications] Kiyoshi Ameno: "A Rapid and Simple Determination of Amitraz in Plasma by Gas Chromatography with Flame Thermionic Detection and Its Application for Pharmacokinetics" Journal of Analytical Toxicology.