1989 Fiscal Year Annual Research Report
C3aモノクロ-ナル抗体を用いた損傷の生活反応判定の研究
Project/Area Number |
01570341
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
前野 善孝 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (00145749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩佐 峰雄 名古屋大学, 医学部, 講師 (00021452)
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Keywords | 生活反応 / C3a / モノクロ-ナル抗体 / 損傷 |
Research Abstract |
損傷局所の炎症反応により活性化された補体カスケ-ドから生じたC3aを測定するためにそのモノクロ-ナル抗体を作製し、これを生活反応測定に応用することを目的とした。その準備として、ラット血清からのC3aの精製を行った。血清100mlを材料としSephadex G-100 gel filtration,Mono S cation exchange chromato-graphy,DATA 5PW anion exchange chromatograhyを用いて精製を行った。C3aは、各分画をラットの皮内に接種してその血管透過性の程度を指標としたものと、SDS-PAGE(4-20%)とで検出した。この精製法では、C3aとC3a-desArgが得られた。これは、carboxypeptidase Nを作用させてイオン交換クロマトで確認した。一方、抗体作製について、抗原としてrat C3a neoantigenic site Arg-Asp-His-Val-Leu-Gly-Leu-Alaの合成したoctapeptideを用いてマウスに免疫した。ところが、抗体が産生されなかった。これは、マウスのC3aにもこのoctapeptideと同じアミノ酸配列があるからだと考えられる。そこで、このoctapeptideをCFAと共に兎に免疫した。得られた抗血清をProtein Aによるアフィニティ-を行いIgG分画にした。この抗体を用いて、以下の実験を行った。ラットの背部に長さ1cmの切創及び1x0.2cmの火傷を形成して、受傷後10,30min,6,30hrに失血死させ、損傷付近を採取、凍結後、創縁より3mm迄を5mM EDTA,1mM EGTA,0.85% NaClを含んだ20mM Tris-HCl pH7.0 400μlでホモジェネイトした上清について、C3a検出を行った。抽出液を4-20% SDS-PAGEにて泳動し、PVDF膜にWestern Blottingを行い、抗 Rat C3a/C3a desArg 抗体IgG分画(1:500)及び抗 Rabbit IgG抗体(peroxidase標識)(1:1000)を用いてC3aバンドの有無を調べた。結果として、両損傷とも全ての試料でC3aバンドを検出せず、39KDaにバンドを認めるのみであった。次年度は、動物をモルモットに変更してC3aの損傷組織内濃度を考慮してmonoclona抗体によるcompetition ELISA法を導入する計画である。
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