1989 Fiscal Year Annual Research Report
HPLCによるフェニエチルアミン系薬毒物の光学異性体の分析法とその法医学的応用
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01570342
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
長井 敏明 獨協医科大学, 医学部, 助手 (50124996)
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Keywords | Methamphetamine / Amphetamine / 光学異性体 / 尿 / ラット / 高速液体クロマトグラフィ- |
Research Abstract |
従来、化学物質(薬物も含む)の光学活性型および光学純度を知るために旋光度測定、旋光分散測定あるいはGaschromatographyが一般的な方法として利用されてきた。しかし、これらの方法は、測定濃度の点やDiastereomer体の熱に対する安定性を考慮する必要性があり、著者が目的とする生物試料からの微量な化学物質の光学活性型また各々の異性体の動体学的研究を知るためには極めて困難であった。そのために著者は、1.Chiral cellulosed-based columnを装備したHigh-performance liquid chromatography(HPLC)法によるphenethylamine系薬物(Methamphetamine,Amphetamine)の光学異性体(d-thpeおよびlーtype)の識別方法を立案した。そしてラット尿からのMethamphetamine(MAMP)およびAmphetamine(AMP)の各光学異性体(4種類)の識別は、本研究に使用したChiral型Column OB-あるいはOJ-columnを単独で使用するよりもOBとOJの担体を1:1で連結したcolumnの法が当該薬物の識別に適していることが分かった。その際のResolution(Rs)および1/d比は、MAMP:Rs=1.46±0.02、1/d=1.01±0.02、AMP=Rs=4.55±0.03、1/d=1.00±0.02であった。測定時間は25分以内に各光学異性体を25ngの検出感度で検出できる事が判明した。また、2.Racemic(dl)methamphetamineの投与実験では、1ーMAMPがd-MAMPに比べ迅速に代謝され、投与前1/d=0.99(dl-MAMPの光学純度:HPLC実測値)のものが4〜12時間蓄尿時点で1/d=0.59に変化した値を与え、MAMPの立体選択性代謝の存在を推定し得る結果を得た(J.Chromatogr.,Biomedical Application)。 今後の研究はMAMPの主要代謝産物であるpara-hydroxy体を含めた経時的変化を考察し、法医裁判化学的立場からMethamphetamine乱用について光学活性レベルで検討していく所存である。
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Research Products
(1 results)