1989 Fiscal Year Annual Research Report
癌化学療法効果判定へのポジトロンCTの臨床的有用性に関する研究
Project/Area Number |
01570347
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 弘 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (00091710)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 助教授 (00125501)
涌井 昭 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (20006076)
|
Keywords | 癌化学療法効果判定 / ポジトロンCT / 疑似糖 / 2-deoxy-2-〔^<18>F〕fluoro-D-glucase / ヒトガン・ヌ-ドマウス |
Research Abstract |
糖要求性が高い腫瘍細胞には、glucoseのanalogに18F(半減期110分)を標識した2-deoxy-2-〔^<18>F〕flouro-D-glucose(以下^<18>FDG)はtrapされ,本剤は腫瘍細胞のglucose消費量をみるtracerとなる。この機序を利用して、我々はポジトロンCT(PET)の癌化学療法効果判定への有用性を実験的ならびに臨床的に検討している。 1.実験的には、可移植性ヒトガン・ヌ-ドマウス(胃癌3株、膵癌2株、大腸癌1株)において腫瘍の^<18>FDG摂取率は高く、また未分化組織型腫瘍の摂取率は高分化型のそれよりも高かった。従って、^<18>FDG-PET-腫瘍像において臨床的に腫瘍の生化学的あるいは組織学的解析が行えるかと考えている。 2.臨床的研究では、癌化学療法施行下で^<18>FDG-PETを複数回行えた13癌症例を得ており、それらの腫瘍像の変化および画像上の^<18>FDG摂取変化〔Differential Absorption Ratio=(PETcount×calibration factor)/(injection dose/body weight)の経過変化比〕は現行の固形がん化学療法直接効果判定基準による成績と2例を除いて矛盾がなかった。この矛盾2例では、他の臨床所見および経過からみれば、むしろ本画像診断成績に妥当性がみられた。また、腫瘍の中央壊死部がPETにてリング状欠損像を示す2例が得られ、それらの所見は手術組織および剖検にて確認された。壊死部の^<18>FDG摂取率は比壊死部のそれより低下していることは、ラット皮下移植AH272腫瘍において実験的にみとめている。 以上、^<18>FDG-PET-腫瘍像の解析は、癌化学療法効果判定に有用である成績が得られた。また実験的、臨床的に本画像診断法により腫瘍組織内部の変化をうかがい得る知見が得られた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 高橋弘,他: "ポジトロンCTによる癌化学療法効果および副作用予知に関する研究" INNERVISION. 1989年6月号. 50-52 (1989)
-
[Publications] 高橋弘,他: "^<18>F疑似糖および^<11>C-メチオニンを用いたポジトロンCTによる腫瘍の画像診断と癌化学療法効果の評価" 臨床薬理. 21(1). (1990)
-
[Publications] Masao Tada,Hiromu Takahashi,etal: "Arapid and efficient synthesis of 2-deoxy-2-〔^<18>F〕fluoro acetamido-D-mannopyranose and-D-galactopyranose" J.Labelled Compds.Radiopharm.(1990)
-
[Publications] Hiromu Takahashi,etal: "Clinical evaluation of cancer chemotherapy efficacy by PET" CYRIC Annual Rep.1989,Tohoku Univ.(1990)
-
[Publications] Hiromu Takahashi,etal: "Pancreatic cancer diagnosis using PET with ^<18>FDG and^<11>C-methionine" CYRIC Annual Rep.1989. (1990)
-
[Publications] Hiromu Takahashi,etal: "Changes of ^<18>FDG uptake into heart of rat by administration of anticancer drugs" CYRIC Annual Rep.1989. (1990)