1991 Fiscal Year Annual Research Report
自己抗原としてのDNA末端結合蛋白(Ku抗原)遺伝子のクロ-ニングとその利用
Project/Area Number |
01570369
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三森 経世 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10157589)
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Keywords | cDNA / 融合蛋白 / Ku抗原 / 抗Ku抗体 / ELISA / Overlap症候群 |
Research Abstract |
【目的】強皮症(PSS)ー多発性筋炎(PM)重複症候群に特異的に見いだされる抗Ku抗体の対応抗原(70k/80kDaのDNA末端結合蛋白)をコ-ドするcDNAは大腸菌発現産物を利用し,抗Ku抗体の高感度検出法を開発することを目的とした. 【方法】1)ヒト脾臓mRNA由来λgt11 cDNAライブラリ-より,70kDおよび80kDーKu蛋白をコ-ドするcDNA(K14およびK71)をそれぞれ分離した.2)K14およびK71ファ-ジ大腸菌をY1089株に感染させてライソゲン化し,これを増殖させて,IPTG存在化にKu蛋白ーβ galactosidase融合蛋白を発現させた.3)不溶性の融合蛋白を遠心法で回収し,SDSサンプルバッファ-に溶解してSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分画した.4)融合蛋白を含むゲルスライスを切り出して,電気泳動的に融合蛋白をゲルから溶出して精製した.5)精製融合蛋白をELISAプレ-トに固相化し,抗Ku抗体出のためのELISAを開発した.6)膠原病126例と健常人20例の血清を検索し,抗Ku抗体の出現頻度に検討した. 【結果】1)ゲルより溶出した精製融合蛋白はSDS電気泳動で単一のバンドを示し,免疫ブロットで抗原性が保たれていることを確認した.2)70kDーKuおよび80kDーKu融合蛋白を固相化して作製したELISAで検出された抗Ku抗体陽性率は,Overlap症候群(13例)でそれぞれ77%および46%と高い陽性率を示し,特にPSSーPM重複例に陽性率が高かった.これに対してSLE(57例)ではそれぞれ7%と4%にすぎず,他の疾患も陽性率は10%以下であった.抗体価もOverlap症候群で高い症例が多く,他の疾患ではPSSの1例を除きいずれも低値であった. 【結語】リコンビナント自己抗原を利用したELISAは,抗Ku抗体の検出に有用と考えられた.
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[Publications] K Miyachi,T Mimori,er al: "A novel autoantibody reactive with a 48kDa tRNAーassociated protein in patients with scleroderma" J.Rheumatol.18. 373-378 (1991)
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[Publications] T Ariga,T Mimori,et al: "Autoantibodies against Forssmann glycolipids in Graves' didease and Hashimoto's thyroiditis" Clin.Exp.Immunol.86. 483-488 (1991)
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[Publications] AJ Griffith,T Mimori,et al: "Ku polypeptides synthesized in vitro assemble into complexes which recognize ends of doubleーstranded DNA" J.Biol.Chem.267. 331-338 (1992)
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[Publications] 三森 経世 他: "自己抗体の産生秩序と組織障害秩序" 診断と治療. 79. 2581-2587 (1991)
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[Publications] 三森 経世 他: "抗Ku抗体" リウマチ科. 6. (1992)
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[Publications] 諏訪 昭,三森 経世 他: "リコンビナント自己抗原(Ku抗原)を用いたKu抗体の検出" 日本臨床免疫学会会誌. 15. (1992)