1989 Fiscal Year Annual Research Report
肝性脳症における脳CCK-8の減少とアンモニア・グルタミン酸代謝との関連
Project/Area Number |
01570409
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 俊一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10048275)
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Keywords | 脳性脳症 / 脳CCK-8 / アンモニア代謝 / グルタミン酸代謝 |
Research Abstract |
肝性脳症のモデルのエック瘻犬を作成し、次の結果をえた。 1.エック瘻犬の血液、髄液のアンモニア(NH_3),グルタミン酸(glu),グルタミン(gln)の動態:エック瘻犬(N=4)を作成し、術後3週に術前時または正常犬(N=5)と比較した。血液;NH_3は117.8±34.0μg/dlで、術前値の約5倍の高値、gluは76.4±38.5μM,glnは755.1±463.8μMで、いずれも術前値と差を認めなかった。髄液;NH_3は89.3±7.8μg/dl,glnは142.6±587μM,glnは1845.2±168.9μMで,それぞれ正常犬の約3倍,2.5倍,3倍の高値を示した。 2.エック瘻犬の脳CCK-8,glu,gln濃度:CCK-8;大脳皮質では正常犬の約2/3〜1/2に著減(たとえば前頭葉;エック瘻犬183.3±34.6,正常犬354.2±128.8μmol/g wet wt)した。gln;大脳皮質では約1.3倍に増加(たとえば側頭葉;エック瘻犬97±1.4,正常犬7.7±1.1μmol/g wet ut)した。gln;大脳皮質では約3倍に増加(たとえば前頭葉;エック瘻犬14.4±7.4,正常犬5.1±0.9μmol/g wet wt)した。 3.脳CCK-8とglu,glnとの相関:CCK-8とglu(n=24,γ=0.1230,ns),CCK-8とgln(n=24,γ=-0.2373,ns)は負の相関傾向を,gluとgln(n=24,γ=0.2871,ns)は正の相関傾向を示した。 4.今回の分析により,脳CCK-8の減少は髄液アンモニアの増加と関連するのみならず,脳gluの増加,glnの増加とも関連する可能性をえた。Glufamate receptor aufogonist(MK801)を入手したので,これを用いてglufamateのneurofoxicityを除いた状態でのCCK-8の脳での減少,CCK-8産生neuvoriとの関連について検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Sato,et al.: "Marked depression of brain cholecystokinin and vasoacitive polypeptide levels in Eck festula digs." Regulatory Peptides. 25. 111-121 (1989)
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[Publications] 三浦義明 佐藤俊一: "肝性脳症におけるChobystokinin-8(CCK-8)の意義;CCK-8髄膣内投与によるアンモニア,芳香族アミノ酸,カテコ-ルアミンの変動" 肝臓. 30supple(1). 159 (1989)