1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570410
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Research Institution | Tokai Univesity |
Principal Investigator |
谷 礼夫 東海大学, 医学部・内科, 助教授 (20096241)
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Keywords | 壁細胞 / レセプタ- / cyclic AMP / アドレナリンレセプタ- / 内視鏡的Congo red試験 |
Research Abstract |
1、壁細胞レセプタ-の感受性に関する基礎的検討のつつぎとして、細胞内情報伝達物質であるcyclic AMPの変動について、モルモット単離壁細胞を用いて検討を行った。 cyclic AMPの測定は、ヤマサRIAーKitを用いて行った。 〔成績〕:cyclic AMPがsecond messengerとされているhistamine刺激において著明な上昇がみられ、それは各種H_2レセプタ一括抗剤により抑制された。したがって細胞内cyclic AMPは、壁細胞のH_2レセプタ-の感受性の判定に有用であることが確認された。 2、壁細胞のアドレナリンレセプタ-に関する検討 これまでの基礎的な検討によって確認された壁細胞のレセプタ-の感受性の指標を用いて、各種アドレナリン作働薬の壁細胞に対する影響を検討した。 〔成績〕:β受容体選択性刺激薬であるisoproterenolおよびβ_2受容体選択性刺激薬であるsalbutamolにより^<14>Cーaminopyrineの取り込みの上界がみられ、壁細胞にβ_2受容体が存在することが示唆された。このことは^3Hーdihydroalprenololを用いたcompetitieve binding assayにより確認された。 3、臨床例における検討 6例の臨床例(慢性胃炎2,胃潰瘍2,十二指腸潰瘍2)に内視鏡的Congo red試験を行い、酸分泌領域のうち速く変色する部位と遅く変色する部位とから生検を行い、細胞単離法により単位湿重量あたりの細胞数を算出し、前者においてこの数が有意に大きいことを確認した。また同時に電顕標本を作成して両者における壁細胞の感受性の比較を超微形態学的変化によって行ったが、有意な差は認められず、両者の差は感受性の差ではなく数の差に基づくものと考えられた。
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[Publications] Tani N,Kimura N,Karasawa H,Hara M,Mutou N,Kondou H,Miwa T: "Studies on the phenomenon of locational variation in the speed of discoloration during the endoscopic Congo red test.The first report" Digestive Endoscopy. 2. 365-368 (1990)
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[Publications] 唐沢 博之,木村 典夫,谷 礼夫,原 雅文,武藤 信美,近藤 均,宮沢 正行,三輪 剛,渡辺 慶一: "プロトンポンプインヒビタ-の壁細胞におよぼす影響についての形態学的検討" 胃分泌研究会誌. 23. 73-76 (1991)
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[Publications] 宮沢 正行,谷 礼夫,近藤 均,木村 典夫,武藤 信美,唐沢 博之,原 雅文,三輪 剛,良原 栄策,中江 太哲: "モルモット単離壁細胞を用いた壁細胞の受容体に関する研究ーアドレナリンβ受容体の検討" 医学のあゆみ. 157. 375-376 (1991)