Research Abstract |
正常家兎の肺胞マクロファ-ジ(AMφ)とは反応せず,BCG感作家兎のAMφと反応する単クロ-ン性抗体,AMー1について,各種細胞,組織との反応性を検討するとともに,Mφ機能との関係について研究した. 1.培養AMφとの反応性:正常家兎のBALーMφを各種物質を添加したRPMI1640培地で5%CO_2,37℃,24時間培養した後,AMー1との反応性を測定した.AMー1に対する陽性率は,RPMIのみ(無血清):9%,RPMI+BCG:8%,RPMI+胎児牛血清(FCS):66%,RPMI+自己血清:40%,RPMI+MIF/MAF:76%であった.また,FCS添加RPMI1640培地で同様に培養し経時的にみると,培養前:1%,培養6時間後:2%,12時間後:31%,24時間後:66%,48時間後:49%,72時間後:36%であった.正常家兎AMφは無血清培養しても,AMー1に対する反応性をほとんど示さないが,血清あるいはリンフォカイン添加培養では,培養12時間後から反応性を発現し,24時間後がピ-クであった. 2.AMー1のAMφ貪食能に与える影響:貪食率は,細胞に対して20倍のFITC標識ビ-ズを加え,37℃,30分間培養後,測定した.BCG感作家兎のAMφの貪食率は73%と正常家兎の63%に比して亢進していたが,AMー1で4℃,1時間,前処置すると(BCG感作家兎AMφ:90%以上反応,正常家兎AMφ:5%以下),BCG感作家兎AMφ:64%,正常家兎AMφ:64%とBCG感作家兎AMφで貪食率が抑制された. AMー1の認識する抗原はAMφの活性化の早期より発現する抗原と考えられ,AMφの機能と関連していることが推定された.
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