1989 Fiscal Year Annual Research Report
肺葉切除ラット・モデルにおける肺胞再生機序に関する研究
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01570437
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
木田 厚瑞 東京都老人総合研究所, 基礎病理部, 研究員 (90142645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水内 知子 東京都老人総合研究所, 臨床病理部, 研究員
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Keywords | 肺葉切除後代償機転 / ラット / 形態計測 / 生化学的分析 |
Research Abstract |
肺葉切除(PNX)後,残存肺にみられる代償機転については不明の点が多い。PNX後の代償は年齢依存性であり老齢期よりも幼若期の方がより完全なる代償が成立することが知られている。そこで成熟肺胞が形成される以前の幼若ラットを用いてPNXを実施,代償機転の形態学的,生化学的検討を行った。(方法):生後2週齢のラットに左肺葉切除術施行(P群)。術後1,2,3,4週目に屠殺。対側肺(右側のみ)を対照群(両側肺)(C群)と比較した。(結果):体重は術後4週目までP,C間に有意差認めず。湿肺重量は1週目,肺容量は術後3週目にP,C群が略一致した。この時点での形態計測では平均肺胞壁間距離,肺内各構成成分の容積地率にはP,C両群間に差はなかった。また抗Brdu抗体による細胞増殖をみると術後1週目ではP群の胸膜中皮細胞の標識率がC群より高く,次いで2日目では内皮細胞,間質細胞の標識率の増加がみられた。DNA polymeraseはP群は術後1日目に鋭い増加をみとめ,更に術後1週目に再度の活性上昇をみた。DNA量はP群の術後3日目より増加,術後3週目でP,C群は一致した。collagen,elastin含量も同時期に両群で一致した。(考察及び結論):1)生後2週目ラットのPNXでは成熟ラットの場合と異なり代償された肺胞構造は正常に近いことが形態学的,生化学的に判明した。2)術後早期にみられる胸膜中皮細胞の増殖は,これが代償刺激の第一作用部位であることが示唆された。3)術後24時間でDNA polymerase活性の増加を認めたことから代償作用が術後早期に開始されることが推定された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 水内厚,水内知子,木田厚瑞.: "肺葉切除ラット・モデルにおける肺胞再生機序に関する研究 第1報 残存肺の形態学的検討" 日本胸部疾患学会誌. 27. 143 (1989)
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[Publications] 久保井礼,水内知子,平塚知子,木田厚瑞: "肺葉切除ラット・モデルにおける肺胞再生機序に関する研究 第2報 残存肺DNAポリメラ-ゼ活性の変化" 日本胸部疾患学会誌. 27. 129 (1989)
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[Publications] 水内知子: "幼若ラットにおけるー側肺切除後の肺胞の代償性増生" 日本胸部疾患学会誌. 28. 93 (1990)
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[Publications] 水内知子,水内厚,平塚知子,木田厚瑞: "生後2週齢ラットにおけるー側肺切除後の代償性変化の研究 第1報 残存肺の形態学的検討" 日本胸部疾患学会誌. 28. 160 (1990)
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[Publications] 水内知子,水内厚,田口隆彦,木田厚瑞: "生後2週齢ラットにおけるー側肺切除後の代償性変化の研究 第2報 残存肺の生化学的研究" 日本胸部疾患学会誌. 28. 161 (1990)
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[Publications] Mizuuchi T,Mizuuchi A,Taguchi T,Seyama Y,Kida K: "Early changes of postpneumonectany lung growth in twoーweek old rats:morphological and biochenial studies" American Review of Respiratory Disease.