1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570447
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福山 秀直 京都大学, 医学部, 助手 (90181297)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安里 令人 京都大学, 医学部, 助手 (80175166)
|
Keywords | PET / MRI / アルツハイマ-病 |
Research Abstract |
Positron Emission Tomography(PET)は空間分解能が低く、アルツハイマ-病で著明な病理学的変化が見られる側頭葉、とくに、その内側面の海馬などを同定することができない。このため、Magnetic Resonance Imaging(MRI)を用いて、解剖学的な位置決めを行い、小さい部位での代謝異常を詳細に検討することが重要である。また、PETのデ-タの空間分解が低いため、脳萎縮により生じるpartial volume effectを補正するため脳の萎縮率を求め、PETのデ-タを補正する必要もある。 1.アルツハイマ-病の脳代謝率 前頭部と頭頂部での脳血流、脳酸素代謝率、脳ブドウ糖代謝率をMRIを用いて関心領域を設定して測定したところ、萎縮率を用いた補正値では頭頂部の萎縮によるunderestimationが大きく、前頭部と比較した成績では頭頂部の代謝は著しい低下を示さなかった。アルツハイマ-病患者の海馬のブトウ糖代謝率を見ると、正常人と比較して代謝の低下は軽微で、側頭葉外側面から頭頂葉にかけて著明な低下が見られた。このことはアルツハイマ-病の記銘力障害は海馬の障害よりも大脳皮質の機能障害によること示唆している。 2.内頸動脈閉塞症白質のMRIT2強調像高信号域 高磁場MRIT2強調像で見られる大脳白質高信号域の病態生理について、われわれの方法を応用し検討した。明らかな脳梗塞を伴わない内頸動脈閉塞症例では、T2強調像での高信号域をMRIの関心領域からPETの関心領域に変換し脳血流量、脳酸素代謝率、脳血液量を測定したところ、脳血液量がT2強調像の高信号域部分で増加し、血流量や酸素代謝は変化が見られなかった。血液量の増加が高信号にどれだけ関与していか今後の問題点である。
|