1990 Fiscal Year Annual Research Report
リゾスフィンゴ脂質の細胞障害.特に細胞の呼吸抑制機序とその“解毒"機構
Project/Area Number |
01570461
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
伊規須 英輝 産業医科大学, 医学部, 助教授 (60108686)
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Keywords | リゾスフィンゴ脂質 / サイコシン / ガラクトシルスフィンゴシン / リピド-シス / 細胞呼吸 / ミトコンドリア / シトクロ-ムCオキシダ-ゼ / アルブミン |
Research Abstract |
我々は、リゾ型スフィンゴ脂質(サイコシン、グルコシルスフィンゴシン、スフィンゴシン)が、少なくともin vitroでは、いずれも、細胞呼吸(ATP生成)に重要なミトコンドリアのシトクロ-ムCオキシダ-ゼ活性を阻害することを見いだした。その効果は強力で、シアンとも比肩可能な程であった。しかし、その作用はいずれも、精製酵素に対しては見られず、内膜構成リン脂質と再構築して始めて明らかになることより、酵素の膜環境を変化させることによったと考えられた。 一方、これらのリゾ型脂質の効果はいずれも、アルブミンにより抑制された。 これらについて、各リゾ型脂質の間に大きな差は見いだされず、アルブミンはこれらのいずれに対しても強力な結合能力を発揮し得るものと思われた。また、少なくともサイコシンについては、pH、温度の変化によっても大きな影響はうけなかった。 これらから、スフィンゴリピド-シスにおいて、アルブミンが対症的とはいえ治療に応用され得る可能性が考えられた。 一方、生体内で生成され得るアンモニアが、脳のエネルギ-代謝産物(ATP、クレアチンリン酸等)レベルを変化させること、生体内に存在するかもしれないアクリルアミドがクレアチンキナ-ゼ(CK)活性をin vitroおよびin vivoで阻害することを見いだした。CKは生体内でATPレベル保持に重要と考えられている。すなわち、これらは内因性神経「毒」(あるいはその可能性のある物質)がいずれもエネルギ-代謝に重大な影響をおよぼし得ることを示しており、これらについて、今後更に追究する価値があるものと思われた。
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[Publications] 伊規須 英輝 他: "巨大軸索ニュ-ロパチ- ーアクリルアミド中毒との比較ー" 福岡医学雑誌. 81. 163-169 (1990)
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[Publications] Igisu,H.et al: "Binding of galactosylsphingosine(Psychosine)by albumin" Lipids. 25. 65-68 (1990)
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[Publications] Matsuoka,M.,Igisu,H.et al: "Effects of acrylamide and N'Nーmethyleneーbisーacrylamide on creatine kinase activity" Brain Res.507. 351-353 (1990)
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[Publications] Matsuoka,M.,Igisu,H.et al: "Effects of ammonia on brain energy metabolites ーーDoseーdependent alternations" J.Neurochem.55. 354-355 (1990)