1990 Fiscal Year Annual Research Report
心不全動物モデルにおけるβ刺激薬およびβ遮断薬長期投与の効果
Project/Area Number |
01570470
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
百村 伸一 東京大学, 医学部, 助手 (10190985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 晃裕 東京大学, 医学部, 医員
山下 尋史 東京大学, 医学部, 医員
大谷 余志 東京大学, 医学部, 助手
芹澤 剛 東京大学, 医学部, 講師 (90143429)
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Keywords | 心不全 / 心筋症 / β遮断薬 / β刺激薬 / β受容体 / 心機能 |
Research Abstract |
本年度の研究の主たる目的はβ遮断薬およびβ刺激薬の長期投与が心筋症ハムスタ-の心機能に及ぼす影響に関してであった。昨年度カテ-コ-ルアミン受容体の測定を行ったのと同様の投薬プロトコ-ルで12週令および32週令の心筋症ハムスタ-および健常ハムスタ-にβ遮断薬としてメトプロロ-ル0.1mg/kg/dayをβ刺激薬としてデノパミン0.5mg/kg/dayを8週間投与した。薬物投与終了後直ちに心臓を摘出、潅流し左室内にラテックスバル-ンを挿入し等容収縮モデルを作成した。左心機能指標として左室圧、最大陽性dP/dt、最大陰性dP/dtを求め、また左室内バル-ン容積を段階的に変えてゆき一連の収縮期および拡張期左室圧ー容積関係を得た。このようにして得られた収縮期圧ー容積関係より収縮性の指標として最大エラスタンス(Emax)を、また拡張期圧ー容積関係より左室スティフネス係数を求めた。まず健常ハムスタ-と心筋症ハムスタ-無投薬群を比較すると左室発生圧、左室最大陽性dP/dt、最大筋性dP/dtは20週で既に心筋症ハムスタ-において低下しており、40週ではこれらの変化はさらに著明となり左心機能の進行性低下が明かであった。またEmaxは20週では健常ハムスタ-に比較して大差はなかったが、40週では低下していた。拡張期圧ー容積関係については心筋症ハムスタ-では右方に移動し左室拡大は明かであったがスティフネス係数には有意の変化は見られなかった。デノパミン投与群では20週、40週のいずれも心筋症ハムスタ-においても非投薬群と比較し上記の諸指標に差は見られなかったが、メトプロロ-ル投与群では40週では左室発生圧は高い傾向にあり収縮機能が保持されている事がうかがわれる一方、左室拡張期圧ー容積関係はさらに右に変移し左室拡張がより進行する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大谷 余志: "Metoprolol投与による心筋症ハムスタ-Bio 14ー6の心筋β受容体に及ぼす効果" 心臓. 22(Suppl.3). 48-51 (1990)
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[Publications] S.MOMOMURA: "Coenzyme Q_<10> attenuates the progression of cardiomyopathy in hamsters" Jpn.Heart J.32. 101-110 (1991)
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[Publications] S.MOMOMURA: "Adaptation mechanisms of myocardial structure,metabolism and ventricular function in an experimental model of cardiomyopathy" Cardiomyopathy:Its metabolic and molecular aspects. 3. (1991)