1990 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮ー白血球混合培養系を用いた冠微小循環酸素ラジカル代謝の解析
Project/Area Number |
01570483
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学部, 助手 (80150340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 誠 大阪大学, 医学部, 助手 (70223237)
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
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Keywords | 好中球 / 血管内皮 / 心筋細胞 / 細胞障害 / 好中球粘着 / 活性酸素ラジカル |
Research Abstract |
本年度は,前年度検討した犬心筋より単離した微小血管内皮細胞と好中球との混合培養系を発展させ好中球,血管内皮細胞,心筋細胞の三者混合培養系を作成し,これら細胞間相互作用がラジカル産生と細胞障害にどのような影響を及ぼすかを明かにする目的で,以下の実験を行った.Simionescuらの変法で成犬冠微小血管内皮細胞を,Jacobsonらの変法で成犬左心室筋細胞を各々単離・培養し,コラ-ゲン膜で仕切られた培養皿の上段に内皮細胞,下段に心筋細胞を一面に培養した.この混合培養皿を気密されたチャンバ-内に留置し,低酸素(1mmHg,45分間)ー再酸素化(100mmHg,5時間)を行った.白血球を低酸素15分後,再酸素化30分後より1時間毎に上段に気密を保ちつつ加え,心筋,内皮細胞障害(形態変化,酵素遊出)並びに,フリ-ラジカル産生(DMPOスピントラップ法),白血球粘着,浸潤能を測定した.三者混合培養の再酸素化後の心筋細胞障害は対照となる心筋純培養に比し,障害進行は促進された.白血球の粘着,浸潤能は再酸素化直後から亢進し,1時間後にピ-クを示して低下した.上段(内皮近傍)のフリ-ラジカル産生は再酸素化早期に多く主な成分はDMPOーOOH,上段(心筋近傍)のフリ-ラジカル産生は再酸素化後期に多く,主な成分はDMPOーOHであった.心筋細胞障害の程度は白血球浸潤と相関せず,フリ-ラジカル産生量と密に相関した.再酸素化後のフリ-ラジカル産生と心筋細胞障害は内皮細胞,白血球存在下に著明に増強し,再酸素化後,内皮細胞の障害に伴って,白血球のラジカル産生・遊走能が亢進することが明かになった.以上より再酸素化による内皮細胞損傷が白血球の活性化を起こし,フリ-ラジカル産生亢進と心筋細胞障害を亢進させている可能性が示唆された.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nishida,M.;et al: "Polymorphonuclear leukocytes induced vasoconstriction in isolated canine coronary arteries." Circ Res.66. 253-258 (1990)
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[Publications] Kuzuya,T.;et al: "Detection of oxygenーderived free radical generation in the canine postischemic heart late phase of reperfusion." Circ Res.66. 1160-1165 (1990)
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[Publications] Hoshida,S;et al: "Relationship between leukocyte activity and arrhythmias in acute myocardial infarction." Cardiology Board Review. 7. 48-60 (1990)