1989 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト単球由来マクロファ-ジの脂質とりこみにおける分子生物学的機構の解析
Project/Area Number |
01570486
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 雄一 神戸大学, 医学部, 講師 (90159707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 康洋 神戸大学, 医学部, 助手 (80169755)
横山 光宏 神戸大学, 医学部, 助教授 (40135794)
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Keywords | 動脈硬化 / コレステロ-ル代謝 / ホスファチジルイノシト-ル(PI)回転 / マクロファ-ジ / 細胞内情報伝達機構 / イノシト-ル3リン酸(IP_3) / Cキナ-ゼ |
Research Abstract |
動脈硬化症の発症と進展の機構を解明しその治療と予防に寄与する知見を得る目的でヒト単球由来マクロファ-ジ(Mφ)の低比重リポ蛋白(LDL)および化学的修飾を受けたLDLの取り込み時の細胞内活性化様式を検討した。LDLは健常人早朝空腹時血漿よりHavelの方法に準じて超遠心法を用いて精製し、Basuらの方法によりAcetylーLDL(AcLDL)、Steinbrecherの方法により酸化LDL(Ox LDL)を調整した。Mφは健常人早朝空腹時血漿より比重分離法にて分離し、20%自家血清加RPMIー1640培養液を用いて培養し、dishに付着した細胞を得、さらに48時間無血清培地で培養し実験に供した。培養液中にそれぞれのLDL30μg/mlを添加し、0、1、3、5、10分ごとに反応を停止させ細胞を採取し細胞内Inositol triphosphate(IP_3)をIP_3アッセイキット(Amersham)を用いて測定した。0〜70μg/mlのLDLを添加し3分後のIP_3産生量を測定した。 調整したLDLをアガロ-スゲル電気泳動でその泳動度を比較すると、AcLDL、OxLDLはNative LDL(NLDL)と比較するとより陽極側へ泳動され、リジン残基が化学的修飾を受けていることが示された。 それぞれのLDL30μg/ml添加後のIP_3産生量は3分後で最大値を示し、NLDLでは0.20、OxLDL0.41、AcLDLでは0.44nmol/mg proteinであった。用量依存性試験では0〜70μg/mlで用量依存性を示し、NLDLでは0.22、AcLDLでは0.54nmol/mg proteinであった。以上よりNLDL、OxLDL、AcLDL添加によりMφは活性化され、その程度は泡沫細胞を惹起する修飾LDL添加時に強いことが明らかになった。 今後はIP_3と同時に活性化するPKCのリン酸化蛋白を同定するとともに、その意義を検討する計画である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yuichi Ishikawa: "Phosphatidylinositol turnover in human monocyteーderived macrophages by native and acety LDL" FEBS letters. 246. 35-38 (1989)
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[Publications] Yoshinori Asaoka: "Phosphatidylinositol turnover in human monocyteーderived macrophages was stimulated by native and acetyl LDL" Annals of New York Academy of Sciences. (1990)