1990 Fiscal Year Annual Research Report
新しい生理的ビタミンD代謝物(ラクトン体)の骨形成促進作用に関する研究
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01570528
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
清野 佳紀 岡山大学, 医学部, 教授 (80028620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 弘之 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手
神崎 晋 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (90224873)
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Keywords | ビタミンD / ビタミンDラクトン体 / 骨形成 / 骨粗鬆症 |
Research Abstract |
最近、23(S),25(R)ー1.25(OH)_2D_3ー26,23ーlactone(1.25ーlactoneと略す)は、1.25(OH)_2D_3とは異なるユニ-クな作用をもつことが明らかにされた。今回、我々は1.25ーlactoneの骨形成に及ぼす影響を、異所性骨形成実験系を用いて検討した。5ー6週齢の雄性ddyマウスの背部筋膜下に骨形成因子含有ペレットを移植し、1.25ーlactoneを連日腹腔内投与した。vehicleを同量連日腹腔内投与した群を対照群とした。移植3週後に、誘導骨を回収した後、重量を測定し軟X線写真上で誘導骨の面積を測定した。さらに、 ^3Hープロリンの取り込みについては屠殺24時間前に ^3Hープロリン5μGを腹腔内投与し、移植10日後にマウスを屠殺した後、誘導組織を回収し、蟻酸に溶解して放射活性を測定した。 ^<85>Srの取り込みについては屠殺24時間前に ^<85>SrlμCiを腹腔内投与し、移植3週後にマウスを屠殺し誘導骨を回収した後、ガンマカウンタ-により取り込み量を測定した。移植3週間後の血漿Ca値は、対照群10.5±0.6、A群10.3I0.4、B群9.8±0.2mg/dlと1.25ーlactone投与により低値を示した。移植10日後の ^3HーProlineの取り込みは対照群6.10I190、B群1070I410dpmで、1.25ーlactone投与により有意に高値を示した。移植3週後の誘導骨の重量及び軟X線上の面積は、用量依存的に1.25ーlactone投与により増加し、 ^<85>Srの取り込みも対照群1850I320、A群2340±430B群2540±460cpmと1.25ーlactone投与群で高値を示した。 また老令ラットを座骨神経切断および卵巣摘除を行い、骨粗鬆症を発症させ、1.25ーlactoneの効果を検討したところ、1.25ーlactone1μg/kgの投与により著明な血清Ca降下作用、骨基質増加を認めるとともに、組織学的に骨形成増強作用を認めた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hirofumi Kurose: "1,25ーDihydroxyvitamin D_3(1,25ー(OH)_2D_3)Increases InsulinーLike Growth Factor I(IGFーI) Receptors in Clonal Osteoblastic Cells.Study on Interaction of IGFーI and 1,25ー(OH)_2D_3." Endocrinology. 126. 2088-2094 (1990)
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[Publications] 清野 佳紀: "異所性骨形成実験系における23(S),25(R)ー1,25(OH)_2D_3ー26,23ーlactoneによる骨形成の促進" 骨粗鬆症研究の進歩. 5. 112-114 (1990)