1989 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧・動脈硬化ハイリスク児の思春期における運動負荷時の心機能の検討
Project/Area Number |
01570531
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
羽根田 紀幸 島根医科大学, 医学部, 講師 (20127525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩谷 一 島根医科大学, 医学部, 助手 (40213300)
岸田 憲二 島根医科大学, 医学部, 助手 (90186213)
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Keywords | 血圧 / 血清コレステロ-ル / トラッキング / 小児 / 心機能 |
Research Abstract |
成人病の引き金となる高血圧や高コレステロ-ル血症は小児期からの発症が認められており、血圧高値や血清コレステロ-ル高値が持続する学童はハイリスク児としてフォロ-が必要である。これらのハイリスク児を他と比較して、その身体的特徴や血行動態的特徴を正確に評価しておくことは成人病の早期発見や予防において有意義と考え、心エコ-法による心機能の評価、身体計測及び昼食前採血による総コレステロ-ル・HLD-コレステロ-ル測定を行った。対象は6〜15歳と9年間を通して血圧が80パ-センタイル以上であった高血圧トラッキング群(男10名、女22名)、血清コレステロ-ル値が80パ-センタイル値以上であった高コレステロ-ルトラッキング群(男11名、女11名)、対照群(男17名、女17名)である。高血圧トラッキング群については、9歳以上で体重特に皮脂厚が対照群と比して有意に大であった(p<0.05)。12歳と15歳では左室拡張最大速度と左室等容拡張時間が対照群に比し遅延していた(p<0.01)。左室拡張末期径・心筋重量・駆出率・平均円周短縮速度等の収縮機能には、全年令において差がなかった。高コレステロ-ルトラッキング群では、18歳で左室等容拡張時間と左室拡張最大速度が対照群より有意に遅延しており、左房駆出血流・左室急速流人血流面積比は女子のみ有意に高かった(p<0.01)。男子では収縮期血圧・拡張期血圧・心拍数が対照群に比べ有意に高値であった。男女とも体重・身長・皮脂厚・左室拡張末期径・心筋重量・収縮機能については対照群と差がなかった。以上より高血圧トラッキング群及び高コレステロ-ルトラッキング群は、対照群に比し左室収縮機能は保たれていても拡張機能が低下する傾向があることが判明した。成人病の予防には小児期よりの血圧、血清コレステロ-ルだけでなく心機能のフォロ-の重要性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yurika Hayashi,et al: "Changes of Left Ventricular Isovolumic Relaxation Time with Growth in Children." Acta Paediatrica Japonica. 32. (1990)
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[Publications] Yurika Hayashi,et al: "Left Ventricular Diastolic Function of Children in High Blood Pressure Tracking Group"