1989 Fiscal Year Annual Research Report
新生児高ビリルビン血症における光療法でのriboflavinの影響
Project/Area Number |
01570537
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
伊藤 進 香川医科大学, 医学部, 講師 (80145052)
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Keywords | 全血中総リボフラビン濃度 / ビリルビン光異性体 / blueーwhite lamp / gleen lamp / urate / 一重項酸素 / メルカプトアルブミン / ノンメルカプトアルブミン |
Research Abstract |
Speckらの高速液体クロマトグラフィ-法を改良し、全血中及び血漿中のFMN(flavin mononucleotide),FAD(flavinーadenine dinucleotide),RB(riboflavin)の濃度を100μl以下の試料で測定可能にした。全血中ではFADが殆どを占めたが、血漿中ではRBの占める割合が増加した。全血中の総リボフラビン濃度は、日令0〜5の新生児において265.7±57.9ng/mlで、成人における208.8±37.9ng/mlより高値であった。血漿のそれは、新生児35.5±14.8ng/mlで、成人56.32±15.67ng/mlと逆に成人の方が高値であった。 in vitroの実験において、ビリルビン・ヒト血清アルブミン系にFMNを添加しblueーwhite lampとgreen lampの差異について検討し、blueーwhite lampはgreen lampに比較してビリベジンを含む多量のビリルビンの光酸化物質を生成することが判明した(安藤美智子ら、未熟児新生児学会雑誌投稿中)。また、その系においてurateは一重項酸素の消去作用を持ちallantoinに変化することにより処理していることを高速液体クロマトグラフィ-を用いて証明した(伊藤進ら、発達薬理・薬物治療研究会雑誌印刷中)。これらの研究途上においてin vitroでビリルビン・ヒト血清アルブミン複合体溶液への光照射において解決すべき重要な問題点を見いだした。それは、ヒト血清アルブミンは34番目のアミノ酸残基のcysteineがーSHであるメルカプトアルブミンとそのーSH基にcysteineやglutathioneがSーS結合したノンメルカプトアルブミンに分けられるが、そのアルブミンの構造の差異に対するビリルビンの光異性化反応において差異が存在するか否かを検討することは非常に興味深いことであるが、実際には両者の間に差は認められなかった(伊藤進ら、日本先天代謝異常学会雑誌、1989)。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 安藤美智子ら: "周生期の活性酸素防御機構における新生児黄疸の病態生理学的意義、第1遍:フラビンモノヌクレオチド存在下での青色光と緑色光によるビリルビン光化学反応の比較" 未熟児新生児学会.
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[Publications] 伊藤進ら: "Flavine mononucleotide共存下におけるtheophy lline,urateのビリルビンの光化学反応に与える影響" 発達薬理・薬物治療研究会雑.
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[Publications] 伊藤進ら: "ビリルビンの光化学反応におけるヒト血清メルカプト及びノンメルカプト アルブミンの役割り" 日本先天代謝異常学会雑誌. 5. 168 (1989)
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[Publications] 伊藤進ら: "新生児高ビリルビン血症の光療法" 肝胆膵. 19. 425-433 (1989)
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[Publications] 伊藤進ら: "核黄疸の今日の論点" 周産期医学. 19. 1717-1721 (1989)
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[Publications] 伊藤進: "新産婦人科MOOK,特集 未熟児・新生児のプライマリ・ケア" 金原出版株式会社, (1990)
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[Publications] 伊藤進ら: "小児疾患診療のための病態生理" 東京医学社, (1990)