1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570542
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐々木 秀樹 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50106316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 達 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (50100110)
松山 秀介 横浜市立大学, 医学部, 教授 (20045983)
生田 孝一郎 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80159590)
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Keywords | 血液幹細胞 / インタ-ロイキン3 / インタ-ロイキン6 / エリスロポイエチン / 免疫磁気ビ-ズ |
Research Abstract |
第2年度も引きつずき、短期液体培養と脾コロニ-法を用いて、CFUーS各群の増殖因子に対する反応性につてて検討した。まず初年度の検討結果を基に、150mg/kgの5FU投与2日後の骨髄細胞を用いてrmIL3の5FU抵抗性幹細胞にたいする作用について検討した。結果は、培養2ー4日目に後期発現CFUーS数の有意の増加を認め、ILー3がより未分化な幹細胞にも増殖刺激作用を有することが示唆された。次に0.1ー10.0u/mlのrhEPOを用いてCFUーSの反応曲線をとると、早期発現CFUーSは濃度依存性に増加を認めたが、後期発現CFUーSは全く増加を示さなかった。さらに200μCiの^3HーTdRを用いて自殺実験を行ったところ、培養開始24時間目にはILー3添加群、EPO添加群ともに早期発現および後期発現CFUーSの両者において、DNA合成期比率の有意の増加を認めた。以上の結果から、ILー3と EPOはいずれも造血幹細胞の両群に対して増殖刺激作用を有するが、ILー3が幹細胞の自己再生を含む広範な造血細胞群に働くのに対し、EPOは主として分化を伴う増殖を刺激し、その結果より分化の進んだ早期発現 CFUーSのみを増加させるものと考えられる。次に同様の方法でrhILー6の作用について検討した。ILー6単独の添加ではCFUーSの増加は全く認められなかったが、ILー3に加えて添加することにより2日培養でCFUーSの両群をさらに軽度増加させた。しかし6日培養では有意の増加は認められなかった。血液幹細胞の純化については、初年度に引きつずき、免疫磁気ビ-ズと抗CD34抗体を用いてヒト前駆細胞の濃縮を行い、抗T,抗B抗体によるnegative selectionを組み合われることでさらに高い濃縮率をあげたが、結果の再現性に問題があり、現在KGーla細胞を用いてより効率よくビ-ズ分離をするための基礎実験を行っている。またマウス血液細胞の分化抗原にたいする抗体が入手できたので、これを用いてマウス幹細胞の濃縮も試みている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐々木 秀樹,他: "免疫磁気ビ-ズを用いた造血前駆細胞の濃縮" Immunohaematology. 12. 91-95 (1990)
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[Publications] T.Inue,H.Sasaki,et al.: "Hemopoietic stem cell growth and microenvironment of the senescent mice." J.Experimental Hematology. 17. 602- (1989)
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[Publications] 井上 達,佐々木 秀樹,他: "造血幹細胞の病理:多能性幹細胞をめぐる新知見と問題点" 横浜医学.